いわき市議会 > 2019-06-17 >
06月17日-02号

  • "墓園"(/)
ツイート シェア
  1. いわき市議会 2019-06-17
    06月17日-02号


    取得元: いわき市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-12
    令和 1年  6月 定例会            令和元年6月17日(月曜日)議事日程第2号 令和元年6月17日(月曜日)午前10時開議  日程第1 市政一般に対する質問---------------------------------------本日の会議に付した事件          〔議事日程第2号記載事件のとおり〕---------------------------------------出席議員(37名)     1番  川崎憲正君      2番  木田都城子君     3番  木村謙一郎君     4番  山守章二君     5番  塩沢昭広君      6番  柴野美佳君     7番  鈴木 演君      8番  田頭弘毅君     9番  坂本康一君      10番  伊藤浩之君     11番  狩野光昭君      12番  福嶋あずさ君     13番  小野潤三君      14番  西山一美君     15番  永山宏恵君      16番  大峯英之君     17番  小野 茂君      18番  塩田美枝子君     19番  馬上卓也君      20番  赤津一夫君     21番  渡辺博之君      22番  溝口民子君     23番  坂本 稔君      24番  上壁 充君     25番  蛭田源治君      26番  菅波 健君     27番  大友康夫君      28番  阿部秀文君     29番  安田成一君      30番  吉田実貴人君     31番  蛭田 克君      32番  磯上佐太彦君     33番  小野邦弘君      34番  石井敏郎君     35番  佐藤和良君      36番  樫村 弘君     37番  佐藤和美君欠席議員(なし)---------------------------------------説明のため出席した者 市長         清水敏男君   副市長        上遠野洋一君 副市長        渡辺 仁君   教育長        吉田 尚君 水道事業管理者    木村 清君   病院事業管理者    平 則夫君 代表監査委員     小野益生君   農業委員会会長    草野庄一君 選挙管理委員会委員長 飯間香保子君  総合政策部長     大和田 洋君 危機管理監      山田 誠君   総務部長       岡田正彦君 財政部長       澤田洋一君   特定政策推進監    緑川伸幸君 市民協働部長     下山田松人君  生活環境部長     荒川信治君 保健福祉部長     飯尾 仁君   こどもみらい部長   高萩文克君 農林水産部長     本田和弘君   産業振興部長     石曽根智昭君 土木部長       上遠野裕之君  都市建設部長     高田浩一君 会計管理者      大平喜重君   教育部長       高田 悟君 消防長        猪狩浩二君   水道局長       加藤弘司君 医療センター事務局長 鈴木善明君   参事(兼)秘書課長   赤津俊一君 総務課長       阿部 通君---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長       山崎俊克君   次長         國井紀子君 参事(兼)総務議事課長 阿部伸夫君   総務議事課課長補佐  馬目皇子君 主任主査(兼)議事運営係長            鈴木 潤君---------------------------------------          午前10時00分 開議 ○議長(菅波健君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の議事日程第2号をもって進めます。--------------------------------------- △日程第1 市政一般に対する質問 △永山宏恵君質問 ○議長(菅波健君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。配付の質問通告表の順に発言を許します。15番永山宏恵君。          〔15番永山宏恵君第二演壇に登壇〕 ◆15番(永山宏恵君) (拍手)15番いわき市議会志帥会の永山宏恵でございます。 令和という新しい時代が始まりました。先日、平成天皇が退位に関する全ての行事を終えられたとのニュースを見まして、大きな責務を果たされ、やっと肩の荷をおろされたのだと思いました。 これまで、上皇様・上皇后様があらゆる場面で国民に寄り添う姿、数々の場面を思い返しますと大変感慨深く、どれほどの国民が救われ励まされたことだろうと、ただただ頭が下がる思いであります。そのような国民に寄り添うという思いは、天皇陛下にもしっかりと受け継がれていることと思いますし、その上で、さらに新しい皇室のあり方を示していかれるのであろうということも、即位間もない天皇陛下のお姿から感じられるところでありました。 この数カ月、新天皇の即位に際して皇室の方々の様子を拝見してきましたが、退位の行事を終えた上皇様・上皇后様のお姿から、困難に見舞われ助けを必要とする人々に寄り添うことの大切さを、そして天皇陛下のお姿から、先人の偉大な功績をしっかりと受けとめることの重要性を改めて感じた次第であります。 令和という時代が、これからどのような時代になるのかは誰にもわかりませんが、それぞれが自分らしく輝きながら、手を取り合いあらゆる困難にも励まし合い、和を持ってともに歩み、ともに栄えていくという元号の意味のように、手を取り合い市民とともに歩み、先人の思いを受けとめながら新たな時代を切り開いていくことを改めて誓い、以下通告順に従い、令和初となる一般質問を行いたいと思います。 大きな質問の1番目は、国民健康保険事業についてであります。 昨年4月に国保制度改革が行われ、県と市町村が共同で国保を運営することとなり、また、県が財政運営の責任主体となるなど、新しい制度のもとで国保運営がスタートしてから、1年余りが経過したところであります。国保制度改革に関しては、これまでの定例会において、一般質問をしてまいりましたが、その中で国保税率の県内統一化については、令和7年度以降に統一化される予定ではあるものの、その時期については明確にされていないとのことでありました。 このことから、少なくとも令和6年度までは国保税率が県内統一化されないことから、それまでの間は、基金を保有しながら本市の実情に応じた独自の税率を決定し、本市の国保財政を安定的に運営する必要があるとの答弁でありました。 このたび、本年度の国保事業を運営していくに当たり、国保運営協議会に諮問し、その答申を踏まえた国保税率の据え置きを初めとした条例改正案及び補正予算案が本定例会に提出されております。 そこで、本年度の税率を据え置くことについて、また、国保税率が県内統一化されるまでの間、本市の国保事業が安定して運営できるのかについて、質問をしてまいりたいと思います。 1点目は、本市の国保事業費納付金標準保険料率についてであります。 これまでの市当局からの説明によりますと、昨年度から県が財政運営の責任主体となったことから、市町村が医療機関などに支払う保険給付費などについては、県が全額支払うことになったため、県はその財源として市町村ごと国保事業費納付金を決定し、徴収すると伺っております。 そこで、県が決定した本市の本年度の一人当たり納付金の額は、昨年度と比較してどのようなのか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 県が決定した本市の国保事業費納付金の額を県が見込んだ本市の被保険者数で除した1人当たり納付金の額は、本年度は13万1,450円であり、昨年度は12万9,891円でありましたことから、比較いたしますと1,559円の増額となっております。 ◆15番(永山宏恵君) 昨年度より、約1,500円が増額になったとのことでありますが、それでは次に、県は、市町村ごと国保事業費納付金を納付するに足りる標準的な保険税率として、標準保険料率を公表するとされております。 そこで、県が公表した本市の本年度の標準保険料率は、昨年度と比較してどのようか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 県が公表した本市の標準保険料率について、昨年度と本年度を比較いたしますと、まず、前年の所得額に対して課税する所得割額の税率は、昨年度の11.95%に対し、本年度は12.26%と示されたことから、0.31ポイントの増となっております。 次に、被保険者1人につき課税する均等割額は、昨年度の4万1,004円に対し、本年度は4万3,330円と示されたことから、2,326円の増となっております。 次に、1世帯につき課税する平等割額は、昨年度の2万7,188円に対し、本年度は、2万8,893円と示されたことから、1,705円の増となっております。 このことから、県は本市の本年度の国保税率については、昨年度よりも引き上げる必要があると示しているところであります。 ◆15番(永山宏恵君) ただいまの答弁から、標準保険料率は昨年度よりも引き上げる必要があると公表されたようであります。 では、2点目は、平成30年度の収支見通しについてであります。 平成30年度は国保税率を引き下げましたが、現時点における収支見通しについて伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 歳入合計から歳出合計を差し引いた収支差、いわゆる形式収支につきましては、約7,800万円の黒字が見込まれるところであり、これにつきましては、県に償還するなどのため、翌年度に繰り越すものであります。 ただし、精算後単年度収支、いわゆる実質収支につきましては、約2億3,000万円の赤字が見込まれるところであります。 ◆15番(永山宏恵君) 実質収支は約2億3,000万円の赤字が見込まれるとのことでありましたけれども、では、昨年6月時点における収支見通しと比較して、どのようなのか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 実質収支で申し上げますと、昨年6月時点では、約1億4,800万円の赤字になると見込んでいたのに対し、現時点では、約2億3,000万円の赤字になると見込まれますことから、赤字額は約8,200万円増大する見込みであります。 ◆15番(永山宏恵君) ただいまの答弁から、昨年6月時点と比較すると、収支は悪化する見込みとのことでありますが、それでは実質収支の赤字額が増大する主な要因について伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 実質収支の赤字額が増大する主な要因でありますが、昨年6月時点と比較して、低所得世帯に対する国保税の軽減額が見込みを上回ったことなどにより、一般会計からの繰入金収入は増となりますが、国保税収入などが見込みを大きく下回りますことから、赤字額が増大するものであります。特に最大の要因といたしましては、国保税の滞納繰越分について、収納率を24.43%で見込んでいたところ、これを3.37ポイント下回る21.06%となりましたことから、収入額が約1億1,000万円の減となったことによるものであります。 ◆15番(永山宏恵君) それでは3点目は、平成30年度の決算見込みを踏まえた本年度以降の収支見通しについてであります。 今回の補正予算案では、国保税率を据え置いた予算額を提案しているようでありますが、そこで、現行税率を据え置いたことによる本年度以降の収支見通しについて伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 現行税率を据え置いたことによる現時点での本年度以降の収支見通しについて、国保税率が確実に県内統一化されない令和6年度までの実質収支で申し上げますと、令和元年度は約3億6,200万円の赤字、令和2年度は約4億3,600万円の赤字、令和3年度は約3億9,200万円の赤字、令和4年度は約3億4,700万円の赤字、令和5年度は約3億200万円の赤字、令和6年度は約2億5,600万円の赤字と見込まれ、赤字幅は年々縮小いたしますが、赤字収支は継続するものと考えております。 ◆15番(永山宏恵君) ただいまの答弁から、実質収支は今後も継続して赤字が見込まれるとのことでありますが、では、昨年6月時点における収支見通しと比較して、どのようか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 本年度以降の収支見通しについて、昨年6月時点における実質収支の見通しと、現時点における実質収支の見通しを比較した場合で申し上げますと、本年度は、昨年6月時点より赤字額が約1億1,400万円増大する見込みであり、来年度以降、令和6年度まで昨年6月時点より毎年度赤字額が6,000万円から7,000万円程度増大する見込みとなっております。 ◆15番(永山宏恵君) 本年度以降も実質収支は悪化する見込みとのことでありましたが、収支見通しが悪化する主な要因について伺います。
    市民協働部長下山田松人君) 本年度以降の収支見通しが昨年6月時点より悪化する要因といたしましては、被保険者の所得額が減少していることなど、さまざまな要因がありますが、昨年度の滞納繰越分の収入額が見込みを大幅に下回ったため、本年度以降における滞納繰越分の収入額を昨年6月時点の見込みより大幅に下方修正したことが最大の要因であります。 ◆15番(永山宏恵君) これまでの答弁から、昨年6月時点と比較して、本年度以降の収入見通しは悪化するとのことでありますが、実質収支の赤字分については、国保基金を取り崩すことで赤字額を補填していくことになると思われます。これについて、市当局は、これまでの説明の中で、国保税率の県内統一化が令和7年度以降のどの時期になるか明確にされていないことから、令和6年度末の基金残高は一定額を保有する必要があると説明しております。 そこで、現時点の収支見通しの結果、令和6年度末の国保基金残高の見込みは、昨年6月時点と比較してどのようか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 現時点での収支見通しを踏まえた上で、令和6年度末の国保基金の残高は約5億3,500万円が見込まれるところであります。 一方、昨年6月時点における令和6年度末の基金残高は約10億8,200万円と見込んでおりましたことから、収支の悪化により基金残高は約5億4,700万円が減となる見込みであります。 ◆15番(永山宏恵君) 今までの答弁から、県が決定した本年度の納付金の額は一人当たりに換算すると増額になっているとのことであり、これに伴って県が示した標準保険料率も、昨年度より引き上がっている状況にあるとのことであります。 一方、本市の国保財政は、昨年6月時点の見込みより収支が悪化している状況にあり、また、令和6年度末の基金の残高も、昨年6月時点と比較して減少すると見込まれているようであります。 これらのことから、国保税率の県内統一化の時期が明確にされていない状況にある中、それまでの間、本市の国保財政を安定的に運営していくとすれば、本来は国保税率を引き上げる必要があるのではないかと思われます。 しかしながら、今般、本定例会に提案された補正予算案では、現行税率を据え置いた予算額となっているところであります。 そこで、4点目は、本年度の国保税率を据え置いた理由について伺います。 ◎市長(清水敏男君) 本年度の国保税率を据え置きますと、本年度以降の実質収支は、昨年6月時点の見通しより、さらに悪化すると見込まれますことから、このような状況を考慮いたしますと、国保税率の引き上げを検討することも必要な状況にあると考えられるところであります。 しかしながら、このような状況の中、本年度の国保税率を据え置いた理由としましては、1つには、現在、国保基金は約25億7,300万円を保有しておりますことから、現時点で見込まれる実質収支の赤字額を基金から取り崩して補填した場合でも、国保税率が確実に県内統一化されない令和6年度末の基金残高は、約5億3,500万円が確保できる見込みであります。 このことから、直ちに国保税率を引き上げる状況にはないと判断したところであります。 2つには、基金を一定額以上保有している間は、被保険者の税負担に配慮し、国保税率は引き上げないと判断したものであります。さらには、これらの市の判断につきましては、国民健康保険運営協議会委員の同意も得られましたことから、本年度の国保税率は据え置いたところであります。 なお、国保会計の収支見通しにつきましては、毎年度、見直しを行いながら、適時・適切な措置を講じてまいりたいと考えております。 ◆15番(永山宏恵君) 昨年6月定例会の一般質問に対し、市当局は、国保加入者は所得の低い方が多く加入している状況を考慮すると、基金を保有している間は、国保税率を引き上げないことが被保険者にとって何よりも大事であることから、基金は被保険者の税負担に配慮するため活用してまいりたい。一方で、国保税率が県内統一化される前に基金が枯渇すれば、税率を引き上げる必要が生じるので、基金が枯渇しないよう対応してまいりたいと答弁しております。この考え方は、国民皆保険制度の最後の砦でもある国保事業を安定的に運営していくためには、大変重要なことであると認識しております。 制度改革により、県が財政運営の責任主体とされましたが、国保税率が県内統一化されるまでは、実質的には市が財政運営の責任主体であると私自身考えております。市民の医療の確保と健康の保持・増進を図るため、市当局におかれましては、今後もこの方向性を引き続き堅持していくよう要望し、次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、いわき明星大学医療創生大学についてであります。 いわき明星大学は、本市の高等教育機関として、昭和61年4月理工学部・人文学部の2学部でスタートしました。本市の大学設置に関しては、昭和41年の合併当初から市民・行政・議会とそれぞれに大学設置を望む声があり、昭和44年3月定例会には、早くも大学誘致の質問もなされ、市長が官公立大学、そして工学系統の大学の誘致をしたいと思っていると答弁しており、昭和46年12月には、市がいわき市大学誘致期成同盟会を結成し、大学、特に理工系の大学の誘致の早期実現のため、国・県等関係機関に陳情を行うなど、精力的に誘致活動していたとのことですが、大学誘致は容易なことではなかったようです。昭和50年9月定例会で、市長は、市内の高校では毎年5,000名の卒業生があり1,000名が市外の大学に進学、3,000名が県外に就職している。人口確保の視点からも大学誘致と雇用機会を図ることは大事な課題だと言っており、その後も継続して誘致活動した結果、昭和53年3月定例会で接触があった私立大学の明星大学・日本大学・茨城キリスト教大学の3校の名前が挙がり、市長は、特に明星大学が本市への進出に意欲的だが、諸般の条件整備が前提であることは言うまでもないと答弁し、議会では大学誘致特別委員会が設置され、誘致活動が本格化しました。その後、市は約38億円を負担し、大学用地40ヘクタール取得・造成し、無償譲渡、大学建設に約30億円の支援を行い、総額68億円の財政支援をし、昭和62年4月に開学となったわけであります。 改めて約20年間にわたる全市を挙げての大学誘致活動に敬意を表しますし、それだけ思いの詰まった大学であったということを感じるわけです。 そのいわき明星大学が4月に新たな大学となりスタートしたわけですが、果たして、誘致にかかわるその理念や先人の思いは継承されているのか、学部の改組、そして医療創生大学に変わるまでのプロセスは納得のいくものであったのか。これまでも各議員が質問しているところでありますが、大学と交わしている基本事項の内容を中心に、以下質問してまいりたいと思います。 1点目は、本市といわき明星大学とのこれまでのかかわりについてです。 本市は、大学誘致、大学創設の際には理工学部・人文学部の設置を望んできたわけですが、その理工学部の廃止があり、これは、当初の本市の意向から離れてしまったと感じざるを得ないと思うのですが、そこで、いわき明星大学の運営に関する基本事項の中に、科学技術を初めとした基礎的、応用的研究及び教育を行うよう努めるとありますが、その基本事項は守られてきていたのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 学校法人いわき明星大学及びその前身である学校法人明星学苑は、科学技術学部や薬学部などを設置し、これまで数多くの優秀な人材を輩出してまいりました。 このような中、平成27年度に科学技術学部の学生募集を停止した後は、平成29年度に看護学部を新たに開設し、また、平成31年度には教養学部の学生募集停止にあわせて、健康医療科学部を開設してまいりました。 こうした取り組みは、時代の潮流や地域のニーズに対応しながら、いわゆる理系に分類される学問を中心とした人材育成に継続して取り組んできたものと受けとめており、市と締結した大学の運営に関する基本事項における科学技術を初めとした基礎的、応用的研究及び教育を行うように努めるとの合意内容に即しているものであると認識しております。 ◆15番(永山宏恵君) 次に、明星学苑、そしていわき明星大学とこれまで学部の変更や廃止、増設などあったわけですけれども、その内容は運営に関しての大変重要なことと考えています。基本事項の中の大学の運営に関し、重大な変更をするときは、あらかじめ、甲、本市と協議するとありますが、これまでその基本事項の内容は守られてきていたのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 大学の運営に関し、重大な変更をするときは、学校法人と市であらかじめ協議するとされておりますが、事前協議が行われない中で教養学部の学生募集停止が文部科学省に報告されるなど、一部合意に反した事例があったところであります。 ◆15番(永山宏恵君) 大学は信頼関係のもと創設されたと思いますけれども、答弁の内容を聞きますと、徐々に関係が希薄になってきているのではないかと感じるところです。 次に、運営に関する基本事項、土地譲与契約書それぞれ一節に目的外使用または用途廃止等当該使用に供しなくなったときは、直ちに甲に返還するとあり、その基本事項に基づき、福島労災病院の移転に当たっては、いわき明星大学の敷地と現在の福島労災病院の敷地を交換するとの合意から、手続は適正に進められたことと思いますが、返還後の土地利用についてはどのような経緯で決定されたのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 福島労災病院においては、施設の老朽化などに伴い、病院の建てかえ等を検討していたところ、いわき明星大学が楢葉町に貸与していた小・中学校仮設校舎敷地が将来的に返還される予定であった状況を踏まえ、病院がいわき明星大学に対し、当該敷地への移転を申し入れたところであります。 これに対し、いわき明星大学においても、病院に隣接することは薬学部や看護学部の教育研究に対し有意義であると認識し、前向きに検討することとなったものです。 一方、市と大学との間で締結した基本事項では、大学以外の用途で敷地を利用する場合には返還する旨の定めがあるため、両者からの申し入れを受け、市としては関係部署でさまざまな検討を行った結果、病院の移転は、いわき医療圏における医療提供体制の向上や市民の利便性の向上につながるものと判断し、市と病院が移転用地と現在の病院敷地を交換することを前提に、平成29年5月福島労災病院いわき明星大学と市の三者で連携・協力して移転実現に取り組むとした基本合意書を締結したものです。 ◆15番(永山宏恵君) 土地を交換するということは、いずれ交換した労災病院跡地の利活用も考えなければなりません。内郷の中心的な場所ですし、まちづくりにも大きくかかわります。 移転に関する基本合意が交わされてから2年が経過しており、その進捗が思うように進んでいないようでありますが、ある程度の見通しが示されるべきと思います。 土地交換が完了されるのはいつ頃になるのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 福島労災病院との土地交換につきましては、福島労災病院を所管する独立行政法人労働者健康安全機構や大学などの関係者間で協議を重ねているところでございますが、交換する土地の範囲について、市の希望を提示し、早期に独立行政法人労働者健康安全機構の考え方を示すよう申し入れているものの、機構から回答が得られておらず、交換する範囲が確定できていないことから、現時点において、土地交換時期について申し上げることは困難な状況にあります。 今後も、独立行政法人労働者健康安全機構に対し、早期に土地取得範囲の考え方を示すよう申し入れてまいりたいと考えております。 ◆15番(永山宏恵君) それでは2点目は、本市と医療創生大学とのこれまでのかかわりについてです。 いわき明星大学は、本年4月より学部の再編もされ、医療創生大学として新たにスタートいたしました。医療介護の分野での人材不足の解消、さらには地域医療の充実、地域に根差した人材育成がなされるなど期待をされるところだと思います。 そこで、これまでの大学運営の基本事項と同じく、医療創生大学と交わしている運営に関する基本事項の中にも、科学技術を初めとした基礎的、応用的研究及び教育を行うよう努めるとありますが、新たな学部はこの基本事項の内容に値しているのか疑問を感じるところですが、市の認識を伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 学校法人医療創生大学につきましては、これまでの薬学部・看護学部に加え、新たに健康医療科学部を本年4月に設置いたしました。 こうした取り組みは、医療関係といった自然科学分野を中心とした人材育成を行うこととなるものであり、市と締結した基本事項における科学技術を初めとした基礎的、応用的研究及び教育を行うように努めるとの合意内容に即しているものであると認識しております。 ◆15番(永山宏恵君) これまで、学部の廃止や新設、学生の募集停止など、運営にかかわる大きな事案等があったわけですけれども、昨年の6月定例会の佐藤和良議員の質問で、基本事項の定める大学運営の重大な変更に対して、事前協議がなかったことは重大な合意違反であり、どう対応するのかとの質問に、市との合意事項に反することのないよう再発防止を強く要請したところとの答弁がありました。 それではこのたびの大学運営に大きくかかわるいわき明星大学から医療創生大学となるときに、大学からの十分な説明・協議の場があったのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 医療創生大学への移行に先立ち、教養学部の学生募集を停止することについて、事前協議が行われない中で、文部科学省に報告されるといった基本事項における合意に反した事例がございました。そのため市といたしましては、文書等により市との合意事項に反することのないよう再発防止を強く申し入れたところであります。 また、あわせて医療系の大学に移行するに当たり、在学生・教職員などに対し、丁寧な説明を行い、十分な理解を得るなど対応に万全を期すよう要請するなどしたところであります。 ◆15番(永山宏恵君) 以前の佐藤和良議員の答弁とほぼ同じかなというところであります。余り変わらない答弁ということで、立ち位置がまだまだはっきりしないと言いますか、ちょっと納得のいく答弁ではないなと思っているところであります。 それでは3点目は、今後の大学とのかかわりについてです。 本市において、大学として開校して30年以上が過ぎました。それだけの歴史が刻まれ、多くの卒業生を輩出しており、地域にも大いに貢献してきていただいていることと思います。改めて確固たる信頼関係を築くためにも、本市としての認識、都度運営の確認、意思疎通の場を設け、本市の立場を明確にしておく必要があると考えます。 これまでの経過を振り返りますと、学部の解釈というのがいま一つ明確ではなく、拡大解釈されてきているように思われます。今後、また学部の再編などがあったときに、解釈の仕方によっては、またさらに幅が広がるのではないかと懸念するところであり、明確にしておく必要があると考えます。 そこで、運営に関する基本事項で、科学技術を初めとしたとありますが、本市としてはどのような学部を想定しているのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 大学と市が締結した基本事項における科学技術を初めとした基礎的、応用的研究及び教育に関しましては、時代の潮流を的確に捉えながら、地域のニーズや負託に応える人材育成が可能となるような分野・学部を想定しているものでございます。 現時点におきましては、例えば、医療人材不足に対応するための医学及び看護・保健学やIoT・AIなどに対応した情報工学、地球温暖化等に対応した環境・エネルギー学など、地域課題の解決につながるような学部・分野が考えられるところでございます。 ◆15番(永山宏恵君) 次に、運営に関する基本事項の重大な変更をするときは、あらかじめ協議するとなっておりますが、重大な変更とは具体的にどのようなことと認識しているのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 市と大学との基本事項につきましては、大学が地域の負託や多様な要望に応えていくために必要な事項を定めたものであり、具体的には、学部の設置や統廃合などが大学の運営に関する重要な変更に該当するものと認識しております。 ◆15番(永山宏恵君) 看護学部の創設のときも、市のほうへの説明は大学の記者発表の30分前で、その内容に関しての協議は全くなかったと聞いております。 学部の改組が行われたり、大学の名称の変更、時代のニーズに応じて大学側としてはさまざまな改革を行っているのかもしれませんが、設立に際して、いわき市が投じた税金を考えれば、市民の考えに基づいた本市のニーズを十分に考慮されるべきと考えます。 しかしながら、事あるごとに本市を除いて事が進められるように感じられ、大学との意思疎通はなっていないものと思わざるを得ません。 昨年の6月定例会答弁において、大学側と十分な意思疎通のもと、運営状況等把握していくと答弁しておりますが、具体的にはどのように十分な意思疎通が必要と考えているのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 市といたしましては、大学に対し、医療系といった新たな教育活動を展開された際におきましても、本市に根差した大学として地域貢献などその役割を果たしていただくようお伝えしたほか、事務協議の場を初め、入学式や卒業式などの式典、大学行事などのさまざまな機会を捉え、学生の状況や大学の近況等について情報交換をしているところであります。 また、昨年9月医療創生大学や東日本国際大学を初めとした市内高等教育機関が主体となり、産業界や本市を含む浜通りの自治体も参画した福島浜通り復興創生キャンパスコンソーシアムが設立されたことから、こうした産学官が一体となった事業を通した連携にも努めているところであります。 ◆15番(永山宏恵君) もっと連携をとりまして、官民協働で人材育成に取り組むためにも、いわき明星大学は官民連携で創設された大学なので、職員の派遣などを通じて連携を図るべきではないかと考えますが、所見を伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 私立大学は、建学の精神に基づく独自性を有しているものであり、国等においても学校法人の自主性・自立性の尊重を示されておりますことから、大学との連携につきましては、基本的には、引き続き事務協議の場や各種事業などを通して、その強化に努めてまいりたいと考えております。 ◆15番(永山宏恵君) 運営に関する基本事項の中で、いわき地域の活性化と発展に貢献する人材の育成とありますが、今後、市としてはどのように目的達成を大学に求めていくのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 市といたしましては、医療創生大学で学んだ多くの学生が本市の地域医療の担い手として活躍し、市民福祉の向上に大きく寄与していただくことにより、大学が地域に根差した高等教育機関として市民の皆様に広く受け入れられることにつながると認識しております。 そのため、大学に対し、将来の医療人材の育成にあわせて、関係機関等との連携を深めていただき、学生が地域で活躍できるような広報やマッチングなどの取り組みを積極的に展開されるよう、働きかけてまいりたいと考えております。 ◆15番(永山宏恵君) 誘致から設立までの経緯、そして当時の関係者の誘致に向けたひたむきな努力に思いをはせますと、私たちは先人が託した思いに真摯に向き合い、地域発展の大きな可能性を託されたものとしての責任を果たしていかなくてはならないと考えます。 また、設立の経緯や先人の思いについては、大学側にも十分に理解していただかなければなりません。その上で、地域の高等教育機関としての役割を最大限発揮していただきたいと考えております。加えて、大学設立に際し、公費が投入されているという点を踏まえれば、行政として経営には口を挟むことはできないとしても、大学が地域に果たす役割や運営にはかかわっていくべきと考えます。 そのためには、本市の大学に対するスタンスをしっかりと確立しておく必要があります。また、一連の大学側の改革は、医療系人材が不足しているという本市の状況を考えれば、歓迎されるべきものと受けとめておりますが、場合によっては本市が望む方向とは違った形での改革が、今後、ないとも限らないのではと懸念するところです。 いずれにしても、これまでのことを踏まえれば、大学との信頼関係を再構築する必要があると考えます。そして、言葉の解釈などで状況変化を容認するようなことはせず、必要であれば基本事項の見直しなども視野に入れ、常に毅然とした対応を強く要望し、次の質問に移ります。 大きな質問の3番目は、消防行政のうち、女性消防職員の活躍に向けた取り組みについてです。 本年2月4日の新聞に、幼いころから消防の仕事に憧れ、中学生のときに消防署での職場体験学習を希望しましたが、女子生徒ということで行かせてもらえなかったとの常磐消防署に勤務する20代の女性消防職員の記事を目にいたしました。その女性消防職員は、憧れであった消防の仕事についたのでよかったところですが、10年前ぐらいでもそういった偏った見方があり、もしかするとそういった見方の振り分けで、女性の目指すべき目標を摘んでしまってはいなかったかと思うところです。 全国で初めての女性消防士が誕生したのは川崎市だそうです。1969年、今から50年前ということで、当時は育児休業など支援制度もなく、寿退社が当たり前の時代に、12人のうち出産・子育てを経て定年まで勤めたのは1人だそうで、当時の仕事は予防広報などソフト事業が多く、男性社会の中でお飾り的な空気があった、また女が消防車に乗ると火が消えないなどとやゆされたこともあったそうです。それでも働き続ける、働き続けられた原動力は、自分が辞めたら後が続かなくなってしまう、もし辞めたら、だから女はだめなんだと思われてしまうからとのこと。女性の底力を感じました。 昨今は、国の成長戦略の重要な柱として女性活躍推進法が施行され、今やテレビなどで女性消防職員の特集が組まれるまでになってはいますが、消防同様に24時間365日現場活動を行う部隊を持つ組織である警察・自衛隊・海上保安庁などと比較しますと、女性職員の割合が低水準であることは否めません。国におきましても、消防サービスの向上、消防組織の活性化のために女性消防職員の活躍を推進する必要性から、消防職員に占める女性の割合を5%まで引き上げる目標を掲げております。 そこで、本市の消防本部における女性消防職員の採用、活躍推進に向けた取り組みについて、以下質問をいたします。 1点目は、女性消防職員の現状についてです。 まず、本市消防本部の女性消防職員数について伺います。 ◎消防長(猪狩浩二君) 本市の女性消防職員数は、本年4月1日現在、短時間勤務の再任用職員を除く職員361人のうち8人で、率にして2.2%となっております。 ◆15番(永山宏恵君) 本市の女性消防職員は8人、率にして2.2%と国が示す5%にはまだまだ開きがありますけれども、全国で女性消防職員の採用が多い消防本部について伺います。 ◎消防長(猪狩浩二君) 女性消防職員が多い消防本部につきましては、平成30年4月1日現在で申し上げますと、職員数が多い東京消防庁で職員1万8,708人のうち、女性消防職員が1,221人、率にして6.5%、全国で初めて女性消防職員を採用いたしました川崎市消防局につきましては、職員1,433人のうち、女性消防職員が62人、率にして4.3%となっております。 ◆15番(永山宏恵君) 県内の消防本部における女性消防職員の採用状況について伺います。 ◎消防長(猪狩浩二君) 県内の消防本部における女性消防職員の採用状況につきましては、県内12消防本部のうち、9消防本部で女性消防職員を採用しております。そのうち、女性消防職員の割合が2%を超えるのは本市のほか3消防本部で、郡山及び会津若松消防本部が2.1%、南会津消防本部が2.3%となっております。 ◆15番(永山宏恵君) 国は、消防職員数に対する女性職員数の比率を5%に引き上げることを目標としていますが、本市・県内ともに比率的に半数に満たない状況との答弁であります。 そこで、消防の業務において、女性職員に対する就業制限などがあるのか伺います。 ◎消防長(猪狩浩二君) 女性職員の就業につきましては、厚生労働省が規定する女性労働基準規則により、重量物を取り扱う業務や有害物のガス等を発散する場所での業務が女性の妊娠または出産に有害であるとして制限されております。 しかし、総務省消防庁では、この就業制限を理由に女性消防職員の職域から災害現場における業務全てを排除することは適当ではなく、就業制限の趣旨を踏まえつつ、救急や火災等の災害現場活動業務に配置することは可能との見解を示しております。 これらを踏まえ、本市におきましては、救急や火災現場などに男性職員同様出動しますが、劇毒物等に係る特殊災害や原子力災害における現場活動のみ、母性保護の観点から就業を制限しております。 ◆15番(永山宏恵君) ただいまの答弁で、女性消防職員の就業に一部制限があるということですが、消防業務において、女性消防職員ならではの活動があるのではないかと思いますが、どのような活動があるのか伺います。 ◎消防長(猪狩浩二君) 女性消防職員ならではの活動につきましては、救急の現場などにおいて、女性の傷病者に対して抵抗感を与えずに活動できることが挙げられます。 また、救急の現場以外におきましても、子供や高齢者、災害時に配慮の必要な方々へきめ細やかでソフトな対応ができることが、女性消防職員ならではの活動であると考えております。 ◆15番(永山宏恵君) 消防は、体力勝負の男性職場と見られがちな救命の現場ですが、女性ならではの視点や気配り、相手に与える安心感など期待される役割は多く、さらなる安心を生み出すと思います。従来の強さで象徴される消防サービスに優しさをプラスした消防サービスにしていただきたいなと思います。 次に2点目は、女性消防職員の就労のための環境整備についてです。 女性を採用し、そして活躍の場を拡大するためには、女性専用の施設整備などハード面の改善及び充実が必要と思われます。 そこで、女性消防職員に対するハード面の対策について伺います。 ◎消防長(猪狩浩二君) 女性消防職員が24時間の交替制勤務をするためには、女性専用の仮眠室や浴室、洗面所等の整備が必須であります。男女別にこれらの施設を新たに設けるためには、既存のスペースでは難しいことから、庁舎の改築等にあわせ、整備していく考えであります。 ◆15番(永山宏恵君) それでは本市において、女性消防職員が勤務できる消防施設について伺います。 ◎消防長(猪狩浩二君) 女性消防職員が勤務できる消防施設につきましては、消防本部と平消防署の統合庁舎、小名浜消防署、常磐消防署及び江名分遣所の4庁舎であり、女性専用の仮眠室等を整備しております。 ◆15番(永山宏恵君) 施設の整備がされているのは4庁舎ということで、どこの庁舎でも働ける環境整備がなされていないわけですが、前の質問で、施設の整備に当たっては、庁舎の改築等にあわせ整備していく考えとのことでしたが、今後、改築の予定のある施設があるのか伺います。 ◎消防長(猪狩浩二君) 消防本部におきましては、昭和37年に建築され、56年が経過した内郷消防署の老朽化が顕著でありますことから、改築に向けた検討を進めているところであります。 ◆15番(永山宏恵君) 内郷消防署というお話が出ましたが、内郷消防署は築50年以上を過ぎており、老朽化が激しい庁舎であります。老朽化の著しい消防庁舎の改築ということでのこれまでの執行部の答弁では、消防庁舎につきましては、防災拠点として重要な施設でありますことから、老朽化が進んでおり耐震基準を満たしていない施設につきましては、今後、計画的に整備していく。内郷消防署は老朽化に伴い、優先的に改築を進める考えと平成25年・平成27年の石井議員の一般質問で答弁しており、1日でも早く総合計画に位置づけ、整備をしていくよう要望しておりましたが、未だ位置づけもされておりません。職員の健全な職場環境の確保、そして女性消防職員の新たな職場確保のためにも、まずは早急に市総合計画に位置づけをしていくよう、強く要望しておきたいと思います。 3点目は、本市の女性消防職員の採用についてです。 女性消防職員だからこその業務があり、そして勤務できる消防施設が徐々に整備されている中、国が示す消防職員数に対する女性職員の比率を5%にする目標数値があるわけですが、女性消防職員の採用に係る本市の考えについて伺います。 ◎消防長(猪狩浩二君) 本市において、消防職員数に対する女性職員の比率を5%に引き上げるためには、女性職員を18人から19人とする必要がありますことから、さまざまな機会を捉えPRを行い、積極的に女性職員を採用していきたいと考えております。 ◆15番(永山宏恵君) 現在の女性消防職員は8人ということで、5%に当たる18人から19人というのは倍以上で、なかなか厳しい数字であると感じますが、それでは女性消防職員の採用拡大に向けて、どのような取り組みをしているのか伺います。 ◎消防長(猪狩浩二君) 女性職員の採用をふやし、活躍の場をふやすためには、まず女性の採用試験受験者をふやすことが必要となります。 女性の受験者をふやすための方策といたしましては、総務省消防庁主催の女子学生等を対象とした職業説明会、ワンデイ・インターンシップや市教育委員会が中学生を対象として開催するいわき・わくわくしごと塾に女性消防職員を積極的に派遣しております。 この職業説明会では、消防業務において、女性の活躍している姿、そして妊娠・出産・子育て等ライフステージに応じた職場の配慮などを紹介し、女性も大いに働ける職場というPRを行っております。 今後は、女性職員を多く採用している消防本部での取り組みなどを参考に、女性消防職員の採用拡大に向けてPR活動を継続していく考えであります。 ◆15番(永山宏恵君) 少子・高齢化が進む中、国の成長戦略の重要な柱として、女性の活躍推進が積極的に進められており、政府はもとより民間企業においても意欲的な取り組みがなされております。 消防は、男性の職場、鍛え抜かれた体力、技術により災害現場において命がけで活躍する姿がイメージされますが、消防業務には女性職員が活躍できる分野が多く存在しているはずです。そして、消防組織活性化のためには、女性消防職員の採用拡大、女性職員の積極的な育成策を講じ、管理職に登用していくなどの対応が必要ではないでしょうか。 過酷な現場で、男性職員と平等に任務をこなしながら個性と能力を発揮する女子職員の存在は、全ての働く女性への応援となり、ますます注目を浴びていくことと思います。男性だけの世界だった消防文化に変化をもたらし、消防組織全体が強さとしなやかさを兼ね備えたよりよいものに進化していくことを期待しています。 今後の消防組織活性化に向け、女性消防職員の採用拡大及び職域拡大によるさらなる活躍推進を期待いたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午前11時10分まで休憩いたします。          午前10時56分 休憩---------------------------------------          午前11時10分 再開 △小野潤三君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。13番小野潤三君。          〔13番小野潤三君第二演壇に登壇〕 ◆13番(小野潤三君) (拍手)13番いわき市議会志帥会の小野潤三です。通告順に従いまして、一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、スタジアムを中心としたまちづくり事業可能性調査についてであります。 アンダーアーマーの日本総代理店であります株式会社ドームがいわきに進出をしまして、Jリーグ入りを目指すサッカーチーム・いわきFCを結成し、福島県2部リーグから始まり、圧倒的な強さで東北1部リーグまで駆け上がってまいりました。Jリーグ入りも時間の問題だと、多くの市民が期待をふくらませています。それに伴いまして、近年、ホームスタジアムの建設が課題として認識されるようになりました。J1に昇格するためには1万5,000人を収容できる天然芝のスタジアムが必要であります。スタジアムがないために、好成績を上げてもJ1に昇格できないチームもある中で、スタジアム建設は喫緊の課題と捉えられるようになりました。 一方で、それはいわき市にとって、新たな、しかも大きな財政負担になるのではないかと懸念する声も出ております。こうした状況の中、平成30年度、1年間をかけまして、いわき市がPwCアドバイザリー合同会社に、スタジアムを中心としたまちづくり事業可能性調査を委託しました。PwCという会社は、サッカースタジアムに関する知見におきましては国内トップクラスだと聞いておりますので、どのような調査結果が出るのか、固唾をのんで私も見守っておりました。 3月26日に調査報告書が市に提出されまして、そのダイジェスト版が6月4日に公表されました。早速中身を拝見しましたが、一読して感じたのは、スタジアムというのは、なかなか採算は合わないのかなということでありました。多くの方が同じ印象を持ったと思います。いわきFCにJ1昇格のときが来るとしますと、この報告書を踏まえ、スタジアム問題に何らかの答えを出さなければなりません。ここから先、それをどのように進めていくのか伺ってまいります。 1点目は、報告書の内容についてであります。 報告書は既に公開されておりますので、内容についてお尋ねするまでもないことではありますけれども、今後の検討を進めていく上での前提となる情報でありますので、おさらいの意味で主要な点を確認してまいりたいと思います。 1つ目として、調査を行った背景について伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 本調査につきましては、市内に拠点を置くいわきFCが、将来的にJリーグに昇格することとなった際に、一定の基準に基づくホームスタジアムの確保等が要件として求められていることや、いわきFCを運営する株式会社いわきスポーツクラブ及びその親会社である株式会社ドームが、将来的にみずから運営を担うスタジアムの構想を有していることを背景に、スタジアムという大規模施設の整備に当たって、まちづくりの観点から、土地利用及び社会基盤等とのかかわりや、スタジアムがまちの集客装置として機能し、人の流れや地域経済への波及効果を最大限に発揮させる新たなスタジアム像の実現の可能性などに関して基礎的な調査を行うため、実施したものであります。 ◆13番(小野潤三君) 2つ目として、国内スタジアムの収支状況はどのように分析されているのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 本調査によりますと、国内のサッカースタジアムは、これまで、公共的な役割を果たすという意味で、郊外に単機能型体育施設として整備されてきたものと捉えた上で、施設運営の収支面では厳しい状況にある施設が多く、公設のスタジアムについては、その多くが自治体からの指定管理料により運営されている状況となっている旨を指摘しております。 ◆13番(小野潤三君) 3つ目としまして、スタジアムの建設費用はどのように見込まれているのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) スタジアムの新設にかかる本体費用につきましては、スタジアムの収容人数の規模や屋根の仕様、ピッチ面の芝の種類などの区分を設けた上で、建設業者の試算などをもとに、その概算額が示されております。 具体的な事例といたしましては、Jリーグの施設基準に合致するスタジアムとして、収容人数が1万5,000人規模、観客席部分を屋根、いわゆる大ひさしで覆い、ピッチ面を天然芝とした場合の本体費用は、概算額で約110億円から120億円としております。 また、収容人数が3万人規模で、スタジアム全面を金属屋根で覆う全天候型のスタジアムで、ピッチ面を人工芝とした場合が最も高額となっており、その本体費用は、概算額で約260億円から340億円としております。 ◆13番(小野潤三君) 建設コストに関しましてはいろいろなパターン分けがされておりますけれども、可動式の屋根をつけて天然芝で1万5,000人規模で、大体160億円から180億円というところで、幅はかなりありますけれども、おおよそ100億円、200億円というスケールなのかなと考えております。 4つ目としまして、スタジアムを整備する候補地は、どのように分析されているのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 本調査におきましては、本市の地域課題や将来のあるべき姿などを踏まえつつ、国内外におけるスタジアム整備の事例等を参考に、本市の地域特性に合ったスタジアムを類型化し、4つの基本コンセプトを導き出しております。 また、候補エリアの検討に当たりましては、市内全13地区を対象として検討を開始し、アクセス性や周辺環境などについて評価を行い、最終的に、基本コンセプトに則して、平、小名浜、内郷、常磐の4エリアを抽出し、それぞれ、ケーススタディを行ったところであります。 その検討結果の概要について申し上げますと、平エリアにつきましては、公共施設や大規模商業施設、ホテル、文化施設などが立地するまちなかでの整備となるため、アクセスのよさと集客ポテンシャルの高さが評価されている一方で、イベント終了後のいわき駅構内の混雑や、徒歩圏内での駐車場の確保等が課題とされております。 次に、小名浜エリアにつきましては、観光促進を中心としたスタジアム整備のポテンシャルの高さが評価されている一方で、最寄駅からのアクセス性が課題とされ、2次交通の整備や輸送力の拡大などについて検討が必要であるとされております。 次に、内郷エリアにつきましては、総合保健福祉センターや医療センター等の医療施設が近接しているため、健康・医療をコンセプトとしたスタジアム整備の優位性の高さが評価されており、一方で、公共交通機関の時間当たりの本数が限定的であるため、その利便性の向上や輸送力の拡大などが課題とされております。 最後に、常磐エリアにつきましては、21世紀の森公園内の他の施設等との連携性や周辺のレクリエーション施設との相乗効果による観光交流人口の拡大の可能性が評価されておりますが、最寄り駅から徒歩で約30分かかるアクセス性が課題とされており、来場者を歩かせる仕組みなどに工夫が必要であるとされております。 ◆13番(小野潤三君) ここまで、報告書の主な内容について伺いました。 2点目の質問は、スタジアムのビジネスモデルについてであります。 いわきFCがこれまで言ってきたのは、日本国内には、モデルになるスタジアムは見られない。しかし、欧米には収益力のあるスタジアムの成功事例があるということでありました。そうしたことから、今回の調査では、こうすれば収益力のあるスタジアム経営ができるんだという、従来国内では実現していないような新たなビジネスモデルが示されることを期待しておりました。しかし、報告書は、結果的に主に国内の既存のスタジアムを分析しただけにとどまっております。この調査結果を受けて、やはりスタジアム経営は難しいんだという判断をするのか、いや、今までにはない、新たなビジネスモデルの構築に改めて挑戦しようということになるのか、その判断が問われております。 今申し上げたとおり、今回の報告書は、稼げるスタジアムになるために、こういう仕掛けができるというところは弱いと感じております。 そこで1つ目として、市として、この報告書をどのように評価しているのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 本調査におきましては、本市の地域特性に合ったスタジアムの類型として4つの基本コンセプトを整理し、それぞれのコンセプトにふさわしいエリアを抽出して、スタジアム整備に係る費用や、管理・運営に係る収支等について、基礎的なケーススタディを行ったものであり、あわせて、社会インフラに係る検証や、課題の抽出、一定の解決策などについて考察がなされているところであります。 今後、民間事業者ならではのアイデアやネットワークを生かし、市場性調査等を実施しながら、さらに検討を進めていくに当たり、今回の調査結果は、その基礎資料となるものと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 今後のさらなる調査も見通した基礎的な報告としては、意味があるということかと思います。 Jリーグのサッカースタジアムは、もともと年間の試合数が少なく、天然芝を維持する必要もあることから、何にでも使えるというわけではありません。そのため、サッカー以外の用途でどう稼働率を上げ、収益源にしていくかというのが経営上最大の問題であります。報告書では、そのための方策として、スタジアムの複合機能という項目がありまして、いろいろな選択肢が列挙されております。その中に、ショッピングモール、コンサートホール・フェス会場、アミューズメント施設などが記載をされております。 そこで、2つ目として、こうしたサッカー以外の機能による収益力をどのように確保するのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) スタジアムに導入する機能につきましては、まずは、スタジアムのピッチ上を活用するものとして、サッカー以外のスポーツ会場や合宿会場、フェス会場、物産展会場及びコンベンション会場を位置づけているほか、スタジアムの施設内を活用するものとして、フィットネスジム・クリニック、カフェ、オフィス、会議室、介護福祉機能などをスタジアム整備の基本コンセプトごとに、適合性が高いと考えられる追加機能として位置づけております。 市といたしましては、調査結果の総括において指摘されているように、さらに収益性の高いスタジアムビジネスを構築する観点から、今後、民間事業者による市場性調査等が実施される中で、スタジアムビジネスの成立の確度を高めるための詳細な検討が進められていくものと認識しております。 ◆13番(小野潤三君) 報告書の中では、いろいろな項目が上がっておりまして、どれがよくて、どれがそうでもないかというところまでは、まだ判断する段階ではないのかもしれませんけれども、イオンモールの開業によって、既にいわき市内はオーバーストアの様相を見せておりまして、スタジアムの周辺にショッピングモールを形成したとしても、市内全体として共倒れになるだけで、なかなか収益力を生むものにはならないかなと思います。あるいは、コンサートホールについては、報告書の中で仙台市とさいたまスーパーアリーナに挟まれて、いわきの競争優位性は低いと判断を示しております。実際、簡単ではないと思いますけれども、いわきではアリオスという箱をつくることで、いいコンテンツがやってくるようになったという事例もありますので、こういった一つ一つの可能性を模索できないのかという思いもあります。アミューズメント施設につきましては、スパリゾートハワイアンズという1つの成功事例がいわき市にあるわけですけれども、首都圏からも集客できる施設ができるのであれば、サッカーの試合を補う収益源になり得ると思います。それだけの事業構築をできるかどうかというところが問題かと思います。いずれにしても、どのように収益性をつくり上げていくかが、今後のスタジアム建設に当たっての成否の鍵になると考えております。 続いて3つ目として、施設の構成について伺います。 まず屋根についてですが、報告書では固定屋根、可動式屋根、屋根なしの3パターンが検討されております。屋根がないほうがコストは安いわけですけれども、天候によってイベントの開催が左右されることを考えますと、稼働率を高めるには全天候型である必要があり、固定式か可動式は別にしまして、屋根の設置は必須の条件と考えますが、御所見を伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) スタジアムの屋根の仕様につきましては、全天候型の固定式屋根及び可動式屋根、そして客席部分のみを覆う大ひさしの3つの場合について検証を行っておりますが、全天候型の固定式屋根の場合、天然芝が敷設できず、Jリーグの試合が開催できない点が課題であるとしており、また、可動式屋根の場合、天然芝の敷設は可能である一方、屋根自体の設置費用が高額であり、屋根の可動にかかる維持管理費の発生も課題であるとしております。 スタジアムの稼働率を高める観点からは、スタジアム全体を屋根で覆う全天候型とすることも考えられますが、屋根の仕様は、スタジアム整備や維持管理の費用に大きく影響を与えることから、スタジアムの利用目的や需要に合致した屋根を、費用対効果なども見きわめた上で、選定していく必要があるものと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 次に、芝についてですが、報告書では、天然芝と人工芝の2パターンが検討されております。 現在のところJリーグの公式戦で人工芝は認められておりませんので、天然芝という選択しかないと考えますが、御所見を伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) ピッチ面に敷設する芝につきましては、国内外での動向やピッチの稼働日数、サッカー以外での活用などの観点から、天然芝、人工芝それぞれの場合での検証を行っておりますが、Jリーグの施設基準では、人工芝は認められていないため、Jリーグの試合開催を前提とした場合には、スタジアムに敷設する芝は、天然芝に限定されることとなります。 ◆13番(小野潤三君) 4つ目として、収益力のあるスタジアムを目指すには、国内の今までの事例だけでは不十分で、いわきの参考となるような、例えば欧米の事例について詳細な分析が必要ですし、欧米に限らず今までには行われていないような新しいやり方はないのかという研究も必要だと考えております。 そうしたさらなる調査の必要性についてどう考えるのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 収益力のあるスタジアムを目指す観点からは、今回参考としたスタジアムの事例以外にも、特に欧米においては、建設費用を抑える整備手法や収益性を高めるためのさまざまな取り組みが新たに創出されており、今後、このような取り組み等が本市の地域特性に適合可能かなどについても調査・研究を進めるとともに、民間事業者による市場性調査等も実施しながら、スタジアムビジネスの成立の確度を高めるための詳細な検討が進められていくものと認識しております。 ◆13番(小野潤三君) 引き続き調査が必要だということで、今後の推移を見守っていきたいと思います。 3点目の質問としまして、候補地など報告書に書かれた幾つかの論点について伺います。 報告書では、スタジアムの整備候補地につきまして、まず市内13地区から6つの地区を抽出し、その中から19のエリアを選んで調査を行い、その結果、4つの候補エリアに絞ったとしております。それは、先ほど御答弁がありましたように、平、小名浜、常磐、内郷の4カ所です。エリアによって、マチナカスタジアムとか観光資源融合型スタジアムとかコンセプトも異なっております。 1つ目として、この4つの中から、今後どのようにして1つの候補地を絞り込む考えか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 具体的な整備候補地の選定につきましては、スタジアムの整備・運営の主体となる株式会社いわきスポーツクラブが中心となり、本調査の成果や抽出された4つの候補エリアの検証を参考にしながら、ビジネスモデルの構築や同クラブの運営理念、さらには用地確保など、さまざまな観点から検討を進めていくことになるものと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 先ほど御答弁にありましたように、スタジアムを新規に建設するには、100億円単位の予算がかかります。報告書の中では、初期投資を抑制するため、既存の施設を活用するという観点から、21世紀の森のグリーンフィールドを改修して活用するという案についても考察されております。サッカー利用のみで、特殊な機能を持たないスタジアムを想定していると書かれておりますけれども、それでも110億円もの費用がかかり、なかなかリーズナブルとは言いにくい試算となっています。 それなら新しいものを最初からつくってしまうほうが合理的ではないかと思いますが、2つ目として、このグリーンフィールドの改修という選択肢について、どのように評価するのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 本調査におきましては、常磐地区の21世紀の森公園内でのスタジアム新設のほか、既存施設であるいわきグリーンフィールドの改修及び段階的整備についても検証しておりますが、改修及び段階的整備のいずれのケースも、スタジアムの新設と同程度の整備費用になるものと試算しております。 また、当該施設は、市民スポーツやアマチュアスポーツの拠点施設でもあることから、改修等により、プロスポーツ専用施設として活用する場合には、利用形態の転換を伴うこととなり、市民の皆様や市内のスポーツ団体等の利用にも少なからず影響を及ぼすことが想定されます。 市といたしましては、いわきグリーンフィールドの改修等による活用につきましては、市民の皆様や関係団体等の十分な理解が必要であり、慎重な検討が求められるものと考えております。 ◆13番(小野潤三君) ということは、なかなか簡単に改修で済ませるというわけにはいかないという御判断かと思います。J1への昇格は最短でも2023年となります。J3昇格時点で5,000人規模のスタジアムが暫定的に確保できれば、1万5,000人規模のスタジアム建設まで、幾らか時間を稼ぐことができます。まだ時間がないわけではありません。その点で、グリーンフィールドをJ3仕様に改修したり、Jヴィレッジを当面のホームスタジアムにするということもあり得ます。 3つ目として、こうした暫定的なスタジアムという選択肢に対して、どのように考えるか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) いわきFCがJ3リーグへ昇格することを見据えたいわきグリーンフィールドの改修やJヴィレッジの活用という考え方につきましては、まず、いわきグリーンフィールドにつきましては、本調査によりますと、Jリーグの施設基準に基づく5,000人収容規模等への改修には約35億円の費用を要すると試算されており、また、Jヴィレッジをホームスタジアムとして活用することにつきましては、施設側や関係機関を初め、地元自治体等との協議・調整が必要であることなど、それぞれに課題があり、さまざまな見地から慎重かつ十分な検討が必要でありますが、いずれにいたしましても、チームを運営する株式会社いわきスポーツクラブ等の意向や運営方針などが、その検討の前提になるものと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 巨額の建設費用や維持費用がかかるサッカースタジアムを建設するには、全市民的なコンセンサスがまだ得られていないのではないかという指摘をいろいろな方がされております。いわき市の人口が30万人で、ファンクラブの人数は今のところ、まだ3,000人ほどしかいないではないかということです。 例えば、税金を投入してスタジアムを建設するということを検討するには時期尚早だというわけであります。 ファン層を拡大し、多くの市民が早くしっかりとしたスタジアムをつくるべしと考えるようになる広いコンセンサスの形成が重要だと考えますが、4つ目として、そうしたファン層の拡大の必要性について、どのように認識しているか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 本調査の総括におきまして、スタジアムの整備については、経済波及効果のほか、地域密着型プロスポーツがもたらす社会的な効果から、まちづくりへの好影響が期待されるとしており、あわせてJリーグ昇格を目指すいわきFCの動向や、市民の機運の高まりにも留意が必要であると指摘しております。 市といたしましては、市民の皆様の健康増進や、未来を開く人財の育成など、地域に根差した活動を初め、全国的にも注目される発信力の高い活動等をいわきFCが今後とも継続的に行いながら、市民に広く浸透していくことが将来的な支援層の拡大につながり、ひいては、本調査において、スタジアム整備がもたらす将来のあるべき姿、ビジョンとして掲げられた選ばれるまち・誇れるまち等の実現にソフト面からも寄与していくものと認識しております。 このことから、一昨年に、地域全体でチームを応援し支えるとともに、スポーツによるまちづくりをチームとともに推進することを目的に、市内約70団体が参加して設立されたスポーツによる人・まちづくり推進協議会を中核組織としながら、さらなるファン層の拡大に向け、チームとの連携・協力に努めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) ファンの拡大というところを、行政の役割としてどのぐらいやるべきことなのかというのもありますけれども、このいわきFCの可能性、スタジアムの可能性を鑑みたときに、行政としても役割を果たしていっていただきたいと思います。 スタジアムの必要性やそのための建設コストなどにつきましては、今回の事業可能性調査で一定の見解が示されております。しかし、肝心の事業主体が行政なのか、民間なのかという点については、これまでのところ明確にはなっておりません。一民間企業が担うには100億円とか200億円という金額は巨額であるのも確かであります。 報告書で例示されております12カ所のスタジアムは全て県営や市営などの公営施設ですが、ことしのJリーグ、J1からJ3までの58チームありますけれども、その中で民間のスタジアムは2カ所のみであります。あとは全て東京都営とか何々県営、あるいは市営といったいずれも公営であります。多くは行政が指定管理料を払って赤字分を補填しているようであります。公設民営とかPFIとかコンセッション方式とか、官民が協力して建設する手法もあり得ます。 5つ目として、建設主体は官なのか民なのか、市はどのようなスタンスで建設にかかわるのか、現在の考え方を伺います。 ◎市長(清水敏男君) スタジアム建設につきましては、いわきFCを運営する株式会社いわきスポーツクラブ及びその親会社である株式会社ドームが、将来的にみずから運営を担うスタジアムの構想を有していることを踏まえ、基本的には、これらの民間事業者が主体となって検討していくべきものと認識しております。 一方で、スタジアムという大規模施設の整備に当たりましては、まちづくりの観点から、土地利用や社会基盤等とのかかわりなど、少なからず行政として関与しなければならないことも想定されることから、引き続き、本市のかかわりのあり方について、調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 施設建設に関する行政のかかわり方としては、行政自身が建設主体になるか、あるいは民間が建設することに対し、補助金を交付するというケースが一般的であります。しかし、このたびのスタジアム建設は、国内では今のところ実現していない収益力のあるスポーツ施設を目指してきたはずであります。その点でいえば、市が建設費用を負担する場合も、補助金というよりは投資だという視点が必要でありまして、それは収益を上げることによって回収するんだという発想が必要だと思います。 一方、いわき市では、これまでアリオスという文化施設に121億円といわれる巨費を投じて、いわき市の文化づくりを行ってきました。文化をつくるのは行政としての使命だ、そこに税金を投入するのは価値があるんだという哲学があったからこそ、これまでアリオスは発展し、市民的な支持も得てきたのだと考えます。スタジアムも、そこに公益的な価値が認められるというのであれば、行政が一定の資金負担をするという選択肢もあり得ると考えております。問題は、市民を説得し得る哲学があるのかないのかということであります。 この項の最後に、スタジアム建設に関して、さらにはもっと大きく、スポーツを通したまちづくりに関して、市はどのような哲学を持っているのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 本調査により、スタジアムの整備費用や整備後の管理・運営に係る厳しい収支見込みが示されており、あわせて、まちづくりの観点からも、用地取得や交通インフラに関する課題などが明らかにされたところであります。 一方で、スタジアムの整備は、地域における経済波及効果のほか、市民の地域に対する愛着の向上や健康増進、スポーツチームの発信力や訴求力を生かした社会貢献など、社会的な効果も見込まれ、スポーツを通じたまちづくりへの好影響も期待されるところであります。 今後は、株式会社いわきスポーツクラブ等が主体となって、民間事業者ならではのアイデアやネットワークを生かし、整備費用までも回収できる収益性の高い新たなスタジアムビジネスモデルの構築や、本調査で明らかとなったさまざまな課題の解決に向けて検討を進めていくものと認識しており、市といたしましても、市民の皆様の機運の高まりや、チームの動向にも留意しつつ、まちづくりの観点から、引き続き課題等の整理を行うとともに、関係する事業者・団体等の取り組みに対する連携・協力に意を用いてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) スタジアム建設につきましては、賛否両論があります。私のスタンスは、そこに可能性があるのであれば追求するべきだというものです。スポーツというのは地方創生の大きなファクターでありまして、スポーツによるまちづくり、そしてスタジアム建設というのも地方創生という文脈で考えることが必要だと思います。その点で、いわき市においてスタジアム問題を所管しているのが、スポーツ振興課ではなくて創生推進課であるというのは正しい扱い方だなと思っております。 地方創生というのは、地方が消滅するという危機にあって、未来の我がまちを支えていく新しい産業づくりをするというのが1つの大きなポイントです。それぞれのまちが創意工夫を凝らして、我がまちはこれで生きていくんだという道をどう切り開いていくのかが問われております。その点で、このたびのスタジアム問題も、横たわっている可能性にどれだけアプローチし切れるかということだと思っております。もちろん後先考えずに暴走すればよいというものではありません。そこの見きわめは重要でありますけれども、市として腹をくくり取り組んでいくことが必要だと思います。市の力量が試されているテーマでもありますので、市民が納得し、いわき市を前進させる結論を出していただくようにお願いいたします。 大きな質問の2番目は、新たな観光まちづくりビジョンについてであります。 5月29日にいわき観光まちづくりビューローの総会が開かれまして、新たないわき観光まちづくりビジョンが策定されました。最初のビジョンが策定されたのが震災の前の年、平成22年でした。翌年震災が起こり、その後は復興や風評払拭が観光部門においてもメーンテーマになりまして、ビジョンをそのまま進めることは困難になりました。もう1つ重要な要素は、ビューローが観光庁から日本版DMOの認定を受けたということであります。それまでの勘と経験と思い入れに基づいた観光政策から、マーケティングの手法を用いて、科学的なデータに基づいて進めていくという観光政策の大転換を図ることが求められております。こうした環境の変化を受けて、今回のビジョン改定がなされたわけでありますが、それに基づいて今後の観光政策はどのように取り組んでいくのか、伺ってまいります。 1点目の質問は、ビジョンの改定について、特に今回のビジョン改定の背景や位置づけについて伺ってまいります。 1つ目として、今般、ビジョンを改定したのはどのような背景によるものなのか伺います。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) いわき市観光まちづくりビジョンは、本市における観光・物産振興に関する全市的な計画として、平成22年5月に一般社団法人いわき観光まちづくりビューローが策定したものであります。 しかしながら、東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響により本市観光を取り巻く環境が一変したこと、さらには、人口減少や少子・高齢化に伴う国内観光需要の減少、外国人観光客の増加や観光ニーズの多様化などを踏まえ、ビューローが昨年3月に日本版DMOに登録されたことを契機に、今般、ビジョンの改定に至ったものであります。 ◆13番(小野潤三君) 2つ目として、今も御説明ありましたけれども、このビジョンはいわき観光まちづくりビューローが策定したものでありまして、行政計画ではないわけですが、いわき市の施策においては、どのような位置づけとなるのか伺います。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) ビジョンは、観光による地域の活力向上を図るため、ビューローを中心に、行政機関、商工団体、事業者、市民などの多様な主体が共有する基本的な方針であります。 今回の改定に当たりましては、国や県の観光施策の動向を踏まえ、新・いわき市総合計画など、市の既存の行政計画にも留意して策定されたものでありますことから、市といたしましては、今後、本ビジョンを踏まえながら庁内関係部署と連携を図り、各種施策を展開してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 総合計画にも留意をしているということで、市としても尊重していくということかと思います。 市の行政計画というのは、総合計画があり、その下に個別計画と言われる個々の分野の計画がそれぞれありますけれども、観光に関しては、このビジョンが実質的な個別計画だと私は捉えております。これからアクションプランについて取り上げていきますけれども、これらをしっかり実現していければ、大きな成果が上がると考えております。行政計画に準ずる位置づけで、しっかり取り組んでいただきたいと思っております。 そこで2点目の質問は、アクションプランについてです。 今回のビジョンでは、3つの基本戦略が示され、そこに15のアクションプランがあり、さらにそれを進めるための57の具体的な施策が並べられております。お手元にその57の施策をお配りしましたので、御参照いただきたいと思います。これらの施策を一つ一つ見てみますと、いずれも観光政策を進める上で重要なものでありまして、それぞれ具体的にどう取り組むかが問われております。 57の施策を一つ一つ、全て伺いたいところではありますけれども、その中から幾つかを取り上げてまいります。 まず1つ目として、基本戦略Ⅲの2、通し番号は私がつけたんですけれども、それで言うと38番、産学官・農商工連携による新たな商品の造成や地域産品の活用促進、これはどのように進める考えか伺います。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) ビジョンに位置づけられた15のアクションプランにつきましては、ビジョンの策定主体であるビューローを初め、市、商工会議所を初めとする関係団体による協力体制のもと、一体的な推進を図ることとしており、具体的な進め方につきましては、ビューローの各年度の事業計画において定めることとしているところでございます。 このうち、産学官・農商工連携による新たな商品の造成につきましては、市内事業者や関係団体、学生等と連携し、それぞれの得意分野において商品の造成・販売を行うことで地場産品の魅力向上を図っていくこととしております。 ◆13番(小野潤三君) 2つ目としまして、基本戦略Ⅲの3、歴史・文化・芸術の活用の中に、43番から47番までの5つの施策が並んでおりますが、歴史や文化、芸術をどのように活用し観光施策につなげる考えか、伺います。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 歴史・文化・芸術の活用につきましては、本市の歴史・文化・芸術を見るだけではなく、例えば、御朱印巡りなどの体験型プランや、芸術、化石などをテーマとした観光周遊プランの造成を進めていくこととしております。 さらに、神社仏閣と自然をかけ合わせ、四季の魅力に応じた旅行商品の造成なども図っていくこととしております。 ◆13番(小野潤三君) 3つ目としまして、基本戦略Ⅲの4、通し番号で50番、地域のイベントと連携した二次交通手段の検討というのがあります。 この二次交通手段の検討はどのように進めるのか、伺います。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 地域で開催されるさまざまなイベントにあわせて二次交通を提供することは、イベントへの集客はもとより、来訪者の回遊性を高める上で、重要であると捉えておりますことから、関係機関の皆様と協議を重ねながら、各イベントに応じた周遊コースや運行形態等の検討を個別に進めていくこととしております。 ◆13番(小野潤三君) 4つ目としまして、基本戦略Ⅲの5、通し番号で52番目のキャッシュレス化・免税店登録の推進というのがありますが、これはどのように推進するのか、伺います。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 交通や宿泊、買い物等におけるキャッシュレス化や免税店登録について、市といたしましては、市を訪れる観光客、とりわけ、訪日外国人旅行客の利便性向上を図る上で必要な環境整備と捉えております。 このことから、今後、観光・物産事業者、商工団体など関係機関と連携を図りながら、取り組みを促進していくこととしております。 ◆13番(小野潤三君) 5つ目としまして、基本戦略Ⅲの5、通し番号で53番目の各種セミナー等の開催による観光専門人材の育成や通訳ガイドの育成というのがあります。観光政策を進める上で、何といっても専門人材というのは、極めて重要だと考えております。 その育成はどのように進めるのか伺います。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 観光専門人材の育成につきましては、ビューローにおきまして、これまで、福島県の観光地づくりアドバイザー派遣事業を活用し、デジタルマーケティングや地域ブランディングなど各分野の専門家を講師としたテーマ別のセミナーを開催し、市内の観光・物産事業者のスキル向上に努めてきたところであります。 今後も引き続き、テーマ別のセミナーを開催するとともに、いわき地域学會等と連携し、みずからの地域を深く知るための観光辞典の編集や、これと関連した観光検定を実施するなどの取り組みを進めることにより、人材育成を図っていくこととしております。 ◆13番(小野潤三君) ここまで57の施策のうち、5点を取り上げましたけれども、御答弁いただいてわかるとおり、最後の人材育成以外はいずれも、観光部門だけでは完結しない施策であります。市の部署で言いますと、ただいま取り上げたのは、産業振興部、農林水産部、教育委員会、文化スポーツ室、都市建設部などの各部署の施策と絡んでくるということが考えられます。観光施策はエリア的にも1自治体では完結せず、福島県や県内のほかの自治体、あるいは、東北エリア、茨城から続く陸前浜街道など、いろいろなくくりで市外の諸機関とも連携の必要があります。このように、DMOが進めるべき観光施策は、さまざまな部門にかかわる総合的なシティセールスだということであります。つまり、いわき市の総力を結集して、いかに市外にいわき市を売り込み、人に来てもらい、お金を落としてもらうかということ。いわき観光まちづくりビューローはその司令塔でありまして、観光施設や物産をPRするためだけの組織ではないというふうに私は考えております。政策を総動員することで初めて、実りある観光政策を実現することになります。 そこで6つ目として、行政の各部署、さらには民間、市外の諸機関とどのように連携を図っていく考えか、伺います。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 観光まちづくりを推進していく上では、観光物産分野のみならず、商工経済分野、農林水産分野、さらには文化・スポーツ・環境・福祉などさまざまな分野が連携し、包括的に取り組む必要があると考えております。 今般、改定されたビジョンに掲げる観光の力で、いわきを豊かにの実現のためには、観光まちづくりの牽引役であるビューローが、観光地経営の視点から、行政機関や商工団体、事業者などと問題意識や戦略の方向性、事業の進捗状況などを共有し、地域の関係者間のマネジメントや各種データに基づいたマーケティングを担っていくべきものと考えているところございます。市といたしましても、観光まちづくりの一翼を担う立場から、各分野の施策を観光の視点で改めて捉え直した上で、関係部局における情報共有や、相互連携により、地域経済の活性化に取り組む必要があると認識しております。 ◆13番(小野潤三君) 改めまして、観光政策というのは、行政で言うと観光交流室という1部門の仕事ではなくて、多くの部署がかかわらなければならない仕事であって、市長を先頭にそれを有機的に展開していただかなければならないということであります。ここにおいでの理事者の皆様それぞれに、今特定政策推進監だけが御答弁いただいておりますけれども、それぞれ、観光、シティセールス、つまりは、いわき市を営業していくということでありまして、そのことに関して、それぞれの立場で自分がどういう役割を果たすべきなのかという問題意識をぜひ、皆様持っていただきたいと思っております。 質問の3点目は、DMOとしての取り組みについてであります。 DMOという言葉の意味を改めて申し上げますと、DはDestination、MはMarketing、あるいはManagement、OはOrganizationということで、つまり、DMOとしての肝は、Mのマーケティングというところでありまして、勘と経験と思い入れで政策をつくっていくのではなくて、市場調査を行って、どういうコンテンツが観光客のニーズに合うものなのかということをデータとして把握して、こういう層がターゲットだということを明確に見きわめた上で、そこにどうやったら効果的に情報を伝えることができるのかというやり方で進めていくのがDMOであります。当てずっぽうではなくて、情報発信をする前の情報収集とその分析が大きなポイントであります。 そのための取り組みについて伺ってまいります。 アクションプランの中でマーケティングについて書かれているのが、基本戦略Ⅰの1、施策の一番最初、1丁目1番地ということになりますけれども、デジタルマーケティングによるデータの蓄積・分析と的確なターゲットの設定であります。 1つ目として、これをどのように進める考えか、伺います。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) ビューローにおきましては、デジタル技術を活用したマーケティングによる効果的な戦略立案が重要と捉えており、観光情報WEBサイトやデジタル広告などにアクセスしたユーザーに関する、男女・世代・居住地などの属性情報や、サイト内での商品購買、宿泊予約などの行動情報について、収集、分析を行っているところでございます。 一方、WEB上からの情報のみならず観光客の生の声も必要と考えておりますことから、市外から訪れる観光客を対象とした対面形式等による観光動向調査を実施するとともに、市内外で開催するイベント等の来場者へのアンケート調査により、顧客満足度、旅行消費額、リピーター率等の情報の把握・分析も行っているところでございます。 今後は、これらの分析結果を効果的な情報発信、ターゲット設定やニーズに合った旅行商品の開発、さらには、物産品販売や戦略立案などに活用することとしております。 ◆13番(小野潤三君) マーケティングにつきましては、アクションプランの中ではデジタルということだけが書かれておりますけれども、今お話がありましたように対面形式などアナログの部分も当然あります。それも含めたデータ収集を行う必要があると考えております。 2つ目として、デジタル、アナログ含め、マーケティングによってPDCAサイクルをどのように回していく考えか、伺います。
    特定政策推進監(緑川伸幸君) ビューローにおきましては、ビジョンに基づく各種施策の遂行に当たっては、マーケティングにより得た情報をもとにPDCAサイクルによる改善等を行いながら、着実な事業展開を図ることとしております。 市といたしましても、ビューローがKPIとして設定している旅行消費額や、延べ宿泊者数等の数値目標が達成されているかどうかのチェック機能が重要であると考えておりますことから、その検証を担うための新たな仕組みづくりなどをビューローや関係団体とともに検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) ビューローには、1年ほど前からマーケティング担当の職員が入っておりまして、先ほど御答弁もいただきましたけれども、いわき市に関するネット上の人の動きとか飛び交う言葉などの分析をしています。DMOのDMOたるゆえんは、繰り返しになりますけれども、マーケティングであります。市場のニーズはどこにあるのか、ニーズを把握した上でターゲットを決めて、そこに決め打ちで効果的な情報発信をしていく。その結果どういう成果が上がったのかを見きわめて、次の策をまた打つと。こういうPDCAサイクル、これをどう機能させていくかが問われております。やり方も含めて、これからしっかりとした取り組みをお願いしたいと思っております。 大きな質問の3番目は、安心して終末を迎えられる仕組みづくりについてであります。 少子・高齢化社会というのは、同時に多死社会の始まりでもあります。高齢者がふえることに伴い、亡くなる方もふえてきます。特に、身寄りのない高齢者が人生の終末期をどのように安心して迎えられるかは大切な問題でありまして、地域社会の中で仕組みづくりを行う必要があります。身寄りのない高齢者が、生きている間は住居をきちんと確保し、天寿を全うしたときには葬儀や埋葬までがきちんと行われるための取り組みについて、伺ってまいります。 1点目は、合葬墓地についてであります。 合葬墓地の整備に関しては、昨年9月定例会で山守議員が詳細に質問を行いました。墓地需要が増加する中、特にお墓を継いだり、管理する必要のない合葬墓地が整備されてきました。 昨年11月から募集が始まりましたが、1つ目として、合葬墓地のこれまでの応募状況はいかがか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 昨年度実施いたしました南白土墓園の納骨堂型合葬墓地の応募状況につきましては、納骨堂を利用する方法での応募が、募集数150体に対して応募数266体、また、納骨堂を利用しない方法での応募が、募集数240体に対して応募数174体となっており、全体の応募倍率としては、390体に対し、440体で1.13倍となったところであります。 そのうち、最終的に使用申請のあった406名を使用者として、全員決定したところであります。 ◆13番(小野潤三君) それでは2つ目として、今後についてはどのように取り組む考えか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 南白土の納骨堂型合葬墓地に続き、東田墓園及び南白土墓園の樹木葬型合葬墓地、並びに東田墓園の納骨堂型合葬墓地が、ことし3月に竣工したところであります。 今年度につきましては、8月に、東田墓園の納骨堂型合葬墓地の内覧会を行った上で、昨年度から供用を開始している南白土墓園の納骨堂型合葬墓地を含め、使用者の募集を行い、11月以降に順次、使用許可を行う予定であります。 なお、募集数につきましては、南白土墓園の納骨堂型合葬墓地のうち、納骨堂を利用する場合が150体、納骨堂を利用しない場合が120体、樹木葬型合葬墓地が90体、また、東田墓園の納骨堂型合葬墓地のうち、納骨堂を利用する場合が50体、納骨堂を利用しない場合が40体、樹木葬型合葬墓地が30体とし、合計480体を予定しております。 ◆13番(小野潤三君) これまでのところ、先行して南白土の納骨型墓地の募集が行われまして、この夏から南白土の樹木葬型墓地、そして東田の2種類の墓地について募集が行われるということであります。向こう60年の墓地需要に対応するということで整備された合葬墓地でありますので、多くの方々が安心して終末を迎えられるように、市民のニーズに応えた運用をしていただきますようにお願いを申し上げます。 2点目は、入居・入所・葬送等支援事業についてであります。 高齢者が住居を確保し、最終的には火葬や埋葬がきちんと行われるための入居・入所・葬送等支援事業が地域福祉ネットワークいわきを中心に進められようとしています。今後の安心社会を実現するために必要な事業だと考えております。 まず1つ目としまして、入居・入所・葬送等支援事業の概要について伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 全国的に少子・高齢化が進行する中、認知症等により判断能力が不十分な方が増加するとともに、単身世帯の増加や頼れる親族がいない方の増加といった状況が見られ、今後も、その進行が予想されております。 このような背景を踏まえ、NPO法人地域福祉ネットワークいわきが独自事業として実施する入居・入所・葬送等支援事業につきましては、高齢者や障がい者のうち、一定所得以下の方を対象として、これまで親族が行ってまいりました入居・入所保証や葬送等について、親族がいない場合などに本人の意思を前提とした各種手続の支援を行おうとするものと伺っております。 ◆13番(小野潤三君) 2つ目として、アパートなどへの入居保証、施設などへの入所保証はどのように進めるのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) NPO法人地域福祉ネットワークいわきによりますと、当面は、地区保健センター、地域包括支援センター、障がい者相談支援センター、居宅介護支援事業者など、市内で高齢者及び障がい者の相談支援業務を担う機関を経由し、相談に至った高齢者等について、本人の意思、所得要件などを確認した上で事業の適否を判断するとのことであります。その上で、実際に高齢者等本人が入居・入所する際に、本人と当該NPO法人の間で保証に関する契約を結び、入居等の契約時に当該NPO法人が連帯保証人や身元引受人の役割を担うことで入居・入所保証を行うことと伺っております。 ◆13番(小野潤三君) 3つ目としまして、火葬・埋葬等の支援はどのように進めるのか、伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) NPO法人地域福祉ネットワークいわきによりますと、葬祭事業者等から提案のありました各種葬祭プランの中から、高齢者等本人が希望するプランを選択し、本人と事業者の間で葬儀の内容や料金等に関する契約を結び、本人の死亡時には、当該NPO法人より、事業者に契約に基づく葬祭等を執行するよう依頼することになると伺っております。なお、市内一部の葬祭事業者において、独自に一般社団法人を設立し、身寄りのない高齢者などに対して、生前契約等により円滑に葬儀などを提供する仕組みづくりを検討する動きもあると伺っております。 ◆13番(小野潤三君) 今、一般社団法人ができたというお話がありましたけれども、私が聞き及んでいるところによりますと、一般社団法人いわきコミュニティ振興センターというのが今年度立ち上がりまして、葬祭事業者などがこういったサービスを行っていくということのようであります。行政だけではなくて、民間からこういった動きが出てくるというのは、非常に歓迎するべきことだと思いますので、官民挙げてぜひ協力体制をとって、高齢者の安心のために事業を進めていただきたいと思っております。 4つ目としまして、地域福祉ネットワークいわきを中心として、入居・入所・葬送等支援事業推進協議会という組織が立ち上げられましたが、市としては、この協議会にどのようにかかわる考えか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 地域包括ケアシステムの推進を目的として設置しております市地域包括ケア推進会議の作業部会におきましては、NPO法人地域福祉ネットワークいわきを初めとした庁内外の関係者により、身寄りのない高齢者や障がい者などの住まいや住まい方の現状把握、並びに解決策などを検討してきたところであります。 当該NPO法人の実施する入居・入所・葬送等支援事業については、高齢者や障がい者本人の意思の尊重とその実現に向け、福祉事業運営法人、不動産事業者、葬祭事業者等が連携しながら取り組む事業であり、本市が目指す共創のまちづくりにつながる事業でありますことから、平成31年3月に開催されました入居・入所・葬送等支援事業推進協議会発足式においても、地域包括ケア担当者が出席したところであり、当該協議会の皆様と検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 官民の関係者のそういった連携というのが非常に大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。 先行自治体の事例では、NPO法人がこうした事業を行って、加盟する方から一時金を数百万円いただくとか、あるいは、月々数千円から一万円程度の会費をいただいていると伺いました。単身高齢者がこうした高額の負担をするとなると、誰もがサービスを受けられるというわけにはいかなくなります。地域福祉ネットワークいわきにおきましては、できるだけ少ない負担でサービスを提供できるような仕組みづくりをしたいということでありました。具体的には、企業などからの協賛を募ることなどを考えているようであります。現在、民間として事業がスタートしようとしておりますが、事業の内容としてはかなり公益的な性格のものであります。 市として一定の財政支援を行うことも考える必要があるのではないでしょうか。その点の御所見を伺います。 ◎市長(清水敏男君) 市といたしましては、共創のまちづくりにつながる事業でありますことから、引き続き地域包括ケア推進会議等において、市民ニーズの的確な把握や他市先進事例の調査・研究を進めながら、地域福祉ネットワークいわきが実施する当該事業の実施方法の確立や、関係者間の合意形成など、仕組みづくりの熟度を見きわめつつ、財政支援を含めた市のかかわり方について検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(小野潤三君) 人生の終盤をどのように安心して過ごすことができるかということは、選ばれる地域になるという意味でも大変重要なことだと考えております。さまざまな変化が社会の中に起こっておりますが、その中で起こってくるニーズに一つ一つ応えていけるような仕組みづくりを行えるようにしていただきたいと考えております。 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午後1時10分まで休憩いたします。          午後0時07分 休憩---------------------------------------          午後1時10分 再開 △蛭田克君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。31番蛭田克君。          〔31番蛭田克君第二演壇に登壇〕 ◆31番(蛭田克君) (拍手)31番いわき市議会自民党一誠会の蛭田克であります。通告順に従い、以下一般質問をいたします。 大きな質問の1は、郷土愛の醸成についてであります。 あの大震災から8年3カ月が経過いたしました。思い起こせば、震災直後においては、国・県、市が一体となって強力に復旧事業に取り組み、次の段階では復興事業をより一層促進し、そして今日、復興・創生事業の進展が市内各地域に広がっており、震災前よりも輝くふるさとづくりを目指していけるようになってまいりました。こういった中、復興事業が進むにつれて、市民の共通意識として心の豊かさを求めることが叫ばれるようになってまいりました。心の豊かさとは何でしょうか。壊滅的な被害を克服していくためには、もちろん物質的な整備を図ることが基本的に第一義の部分でありますが、それだけでは十分ではなく、住民生活や地域社会に目を向けた優しさや心配り、勇気や生きる力など、人間への思い入れを中心とした考え方が必要になってまいりました。これが心の豊かさを求める声であり、ふるさとへの思いを強くしていく中で、より一層郷土愛を高めていったのだと考えます。どんなに苦しくともふるさとへの誇りがある。どんなに遠く離れていてもふるさとからの香りが届いてくる。ふるさとへの無償の愛こそが私たちを揺り動かす原動力であり、将来へ向けてのモチベーションとなるものであると思うのであります。この郷土愛こそが、これからもずっと本市の復興・創生の完遂に向けての精神的支柱であると私は確信いたします。以上の観点に立ち、以下伺います。 1点目、本市が復興・創生の達成に向かって邁進していくに当たり、郷土愛の醸成を図っていくことの大切さについて市はどのように考えるのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 市民の皆様が歴史や文化を初めとした本市の地域資源について理解を深め、郷土愛や地域に対する誇りを持っていただくことは、本市で暮らしたい、働きたい、いわきを離れてもいわきとつながり続けたいといった思いや、地域のよさを守りたい、地域課題を解決したい、地域の魅力を広く発信したいなどといった、まちづくりへの参画意識の醸成につながるものと認識しております。 こうしたことから、郷土愛は、まちづくりの担い手となる市民等の原動力となるものであり、復興とその先を見据えましたいわきの創生に向けて、共創によるまちづくりを進めていくための重要な基盤であると考えております。 ◆31番(蛭田克君) 2点目は、現在、本市においてスポーツの取り組みを生かした郷土愛醸成を図っている施策展開にはどのようなものがあるのか伺います。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) オリンピック・パラリンピック競技大会などの国際大会で活躍する競技者を本市から輩出することは、市民の皆様に夢や希望をもたらし、本市に対する誇りや郷土愛の醸成にも寄与することから、市といたしましては、いわき市体育協会など、市内関係団体との連携を密にしながら、めざせオリンピック・トップアスリート養成事業を実施し、トップレベルの競技者の育成に取り組んでいるところであります。 また、毎年2月に開催しておりますいわきサンシャインマラソンにつきましても、ランナーやボランティアとしての参加、沿道での応援など、多くの市民の皆様にかかわっていただいており、大会の開催を通じて、一体感や郷土愛の醸成につながってきたものと受けとめております。 今後におきましても、市民の誇りとなる競技者の育成に向けた競技スポーツの振興等に取り組むとともに、本市出身のオリンピアンやパラリンピアンなどトップアスリートと触れ合う機会の提供に努め、ふるさといわきに対する郷土愛を高めてまいりたいと考えております。 ◆31番(蛭田克君) そこで、また伺いますが、本市はかつてスポーツで輝かしい伝統を有しておりました。しかし、現在、これらの実績は余り市民に知られていないように感じられます。過去の実績を掘り起こしながら、新たにスポーツを通した郷土愛醸成を図ることについてはいかがでしょうか伺います。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 本市からは、これまで調べてみましたところ、17名のオリンピアン・パラリンピアンが誕生しているという状況でございまして、こういった世界を舞台に活躍していただきました皆様方との交流というのは、強くふるさといわきを感じることができるものと考えておりますから、今後におきましても、トップアスリートの皆様の功績を広く市民の皆様へ周知する機会を設けますとともに、講演会、交流事業を開催して郷土愛の醸成に努めてまいりたいと考えております。 ◆31番(蛭田克君) 未来について施策を展開していくことは、もちろん大切でありますが、本市の過去の歴史の中に多くの宝物が埋まっていると思います。この宝物を掘り起こして本市の活力にしていくことを今後望んでいきたいと思います。よろしくお願いします。 3点目、本市は多くの歴史上の偉人を輩出しておりますが、その方々の業績や生き方を取り入れた郷土愛醸成施策を図っていくことが大切かと思いますが、市はどのようにお考えかお聞きいたします。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 地域の歴史や本市にゆかりのある偉人の功績等をしっかりと継承していくことは、地域の誇りや郷土愛を育むためにも重要なことであると認識しております。このため、市といたしましては、いわきの歴史や偉人の功績等をまとめた冊子、みんなで学ぼういわきの歴史を市内の小学6年生全員を対象に配布するほか、全市民を対象とした歴史に関する講座や講演会を適宜開催するなどしながら、本市が輩出した歴史上の偉人について、その業績や生き方についての認識を深めていただく取り組みを進めてまいりました。 今後におきましては、本年生誕200年を迎える安藤信正公に係る記念シンポジウムなど、時宜を捉えた取り組みを進めるほか、本市が輩出した偉人の業績や生き方について、広く各界各層の市民の皆様に興味を持って接していただけるよう、例えば、漫画の利用や広報紙を初めとするさまざまな媒体の活用も視野に入れながら、より一層の周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆31番(蛭田克君) よろしくお願いしたいと思いますが、会派の磯上議員からもいろいろ前回質問があったと思いますけれども、戦後の剣道教育を現在に定着させていった原動力となった国井善弥氏、彼がこのいわき市出身であると。もし彼がいなかったならば剣道教育が今までこれまで発展していたかどうか非常に疑問があるところであります。そういったすばらしい偉人がいるということも、もっともっと広く世に知らせていくべきではないかと思いますので、どうか今後、本市の偉人の発掘をよろしくお願いしたいと思います。 4点目、広域都市である本市には、市内各地に多くの名所・旧跡、その土地固有の伝承や民話、風土記などが存在しております。それら各地の特色を取り入れ、活用した郷土愛醸成施策を図るべきと考えますが、市はどのようにお考えか伺います。 ◎特定政策推進監(緑川伸幸君) 広域な本市には、地域の歴史に培われた特色ある多様な文化が息づき、また、各地の特色ある文化を伝える有形無形のさまざまな文化財が多数存在しており、これらは市民の皆様の郷土愛醸成に重要な役割を果たしているものと認識しております。このため、市といたしましては、地域の皆様がこれらの文化を誇りを持って後世に継承することができますよう、文化財の適切な保存に努めるとともに、各地域学を初め、文化施設における地域文化を紹介する企画展や、次世代を担う子供たちに地域の歴史的な芸能等を体験していただく無形民俗文化財活用事業などに取り組んできたところでございます。 今後におきましては、磐城平城の歴史を後世に伝える事業など、市民共通の歴史、文化意識の醸成を図る取り組みを進めるとともに、現在市内各地で展開されております地域学を初めとするさまざまな取り組みを一覧的に紹介するなどしながら、各地域の皆様がそれぞれの地域の文化を共有し、相互に理解し合いながら、ふるさといわきへの誇りを1つとして、共通した郷土愛が醸成されるような取り組みにも努めてまいりたいと考えております。 ◆31番(蛭田克君) 全くそのとおりだと思います。常磐学とか勿来学とかその地域の今学問があります。何々学というものが展開されているわけですが、こういったものをその地域だけの特色としないで、いわき市民全員が共通してそういったものを郷土愛としてまとめることができたら、本当にすばらしいと思います。どうかひとつその辺についての御尽力を賜りたいと思います。 5点目は、郷土愛の醸成は、今後とも市民の精神的バックボーンとして推進していくべきものと考えます。その意味で、これまで述べてこられた以上に、市は新たな将来を見据えた施策展開を図る必要があると思います。 そこで、今後の郷土愛醸成へ向けての本市の展望についてどのように考えるのか伺います。 ◎総合政策部長(大和田洋君) 郷土愛の醸成につきましては、共創のまちづくりを進めるための重要な基盤であり、また、新たな市総合計画の策定に当たり設置した市総合計画審議会の委員の皆様などからも中長期的なまちづくりのキーワードの1つとして、郷土愛が挙げられているところであります。 市といたしましては、今後、これまで以上に人口減少や高齢化が進む中で、まちづくりを進めるに当たっては、地域づくりなどさまざまな社会活動に参加する活動人口の拡大を図っていくことが肝要であると認識しており、まちづくりの担い手を多様化する一環としても、市民の皆様が郷土愛や地域に対する誇りを育み、共創のまちづくりにつなげていけるような取り組みをさまざまな分野で進めてまいりたいと考えております。 ◆31番(蛭田克君) それに関連してですが、2015年から始まった文化庁が認定する日本遺産では、本県では会津地方と安積疎水の2件のみが2016年度に認定されております。現在、全国で83件認定されております。2020年度、つまりオリンピックまでに100件程度を目指すとされております。 そこで、本市としてこの日本遺産の認定を目指し、本市を全国に発信する一助とし、あわせて郷土愛の醸成を図っていくことについていかがでしょうか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 日本遺産につきましては、遺跡や伝統芸能など地域に点在する遺産を面として活用し、発信することで、地域活性化を図ることを目的に、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定するものとなっております。設定に際しましては、ストーリーの内容が地域の際立った歴史的特色を示すとともに、我が国の魅力を十分に伝えるものとなっていることなどのさまざまな基準がございますが、本市の認知度向上を初め、住民意識の向上や地域のブランド化など、いわき創生に資するとともに、本市の魅力の発信や郷土愛の醸成にもつながるものと考えられますことから、今後、調査・研究をしてまいりたいと考えております。 ◆31番(蛭田克君) よろしくお願いします。会津は仏都と言うらしいです。仏の都。この会津地方三十三観音。だーっと会津地方全体の仏様のところが日本遺産になっている。それから安積疎水一帯が日本遺産になっている。そういう話を聞きました。日本遺産になっていないのは東京都だけだと。あと全国にある。この中にいわき市が入って、全国に向かっていわき市が発信する。こういう機会が早く訪れることを期待したいと思います。 大きな質問の2は、バッテリーバレー構想の推進についてであります。 本構想では、蓄電池を使用した製品の普及、バッテリー技術による産業振興、関連企業の誘致を促進といったものを3本の矢としており、究極の目的としては、蓄電池関連産業からの地域イノベーションを掲げております。 昨年9月の定例会で、構想実現に向けて今後の具体的な展開についてという私の質問に関して、清水市長からの前向きな答弁をいただきました。私は、官民連携してこの構想へのアプローチがなされていると理解し、今後に大きな期待を持っているところであります。このことを踏まえた上で、今回は、シリコンバレーという世界的先進地域を参考にし、新たな視点に立った質問を以下行います。 1点目は、本構想と教育機関との連携強化についてであります。 バッテリーバレー構想のお手本とも言うべきシリコンバレーと比較してみたいと考えます。御承知のとおりシリコンバレーとは、アメリカカリフォルニア州南部に位置するサンノゼ地区の通称で、半導体すなわちシリコンのまちとしてスタートいたしました。スタンフォード大学教授で、1956年半導体の研究及びトランジスタ効果の発見でノーベル物理学賞を受賞したウィリアム・ショックレー氏が、1955年に半導体研究所を設立したことをきっかけに、この地域にさまざまな半導体企業が集まるようになったと言われております。現在、この地に拠点を置くのは、Google、Apple、Facebook、Yahoo、intelなど、名だたる世界的企業であると聞いております。世界的エリート校のスタンフォード大学という知的バックボーンと多くの研究施設や自由でフランクな地域社会、世界中から起業家や学生が集まってくるという地域環境などを有しているシリコンバレーの状況は、本市のバッテリーバレー構想実現・発展に向けて大いに参考になると思われます。 そこで伺います。バッテリー分野の学問的背景を強化していくために、バッテリー分野の研究を深めている著名な大学や研究所との連携を深め、市が主体となり、それらの研究地域あるいは研究施設等を市内に創出していくということについてはいかがでしょうか伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 本市では、これまで、バッテリー産業の集積とバッテリーの利活用の先進都市を目指すという構想の具現化に向けまして、官民が連携して普及啓発や意識醸成に取り組んできたほか、市内企業の関連産業への参入促進や人材育成に取り組み、着実に成果が上がってきているところであります。こうした動きをさらに加速させ、バッテリー関連産業を本市における基幹産業の1つにするためには、技術開発や人材育成を担う大学や研究所等の研究機関との連携が重要になるものと捉えております。 このような考えに基づき、今後、本構想を進めていく中で、大学や研究所の拠点のあり方につきましても研究してまいりたいと考えております。 ◆31番(蛭田克君) スタンフォード大学は、西海岸のハーバードと言われているそうであります。世界第4位の大学の評価を受けている。日本からも多くの学者が行ってここで卒業しているそうであります。やはりこのバッテリーをいわきの大きな大きな起点としていくためには、やはりこういった力が必要なのではないか。そういった世界的な日本を代表するようなところが次の時代を担っていくのではないかと思います。 そこで、県内の理系大学で全国でも評価の高い会津大学がせっかく本県にあるわけですから、会津大学との連携を目指していくということについてはいかがでしょうか。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 会津大学につきましては、コンピューター理工学分野において、さまざまな先端的な研究を行っており、非常に評価が高い教育機関であると認識しております。こうしたことを踏まえ、本構想の推進に当たりましても、同校の知見を活用できる分野において連携を図ってまいりたいと考えております。 ◆31番(蛭田克君) 2点目は、企業誘致についてであります。 大きな企業も大切だと思いますが、むしろシリコンバレー発展の初期の段階で見られたように、小さいけれどもチャレンジ精神が旺盛で、グローバル性を有し、未来志向の将来性を見据えた企業や人材が終結したという実態に目を向けるということも大切かと考えます。そこで、今後は、新たなビジネスモデルを目指し起業する。起業というのは企業を起こすですね。起業するスタートアップ企業の誘致を強化・促進するということについてはいかがお考えでしょうか。つまり、スタートアップ企業というのは、いわきからスタートする、いわきが発祥の地としてスタートするんだというスタートアップ企業ですが、こういった企業を誘致することについていかがでしょうかお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) バッテリーバレー構想の推進に向けた企業誘致につきましては、現在、市内既存企業との連携が期待される中核的企業が契約締結に向けた準備を進めているほか、研究・開発段階から事業化・量産化への移行を検討している大学発ベンチャー企業からも、本市への工場等の立地について相談をいただいているところであります。 市といたしましても、関連産業の集積を促進するに当たっては、新たなビジネスを生み出し、市場を開拓していくようなスタートアップ企業の誘致は有効であると認識しております。このことから、今後におきましても、工場等立地奨励金を初めとする各種立地優遇制度を広くPRしながら、企業の規模に捉われず、保有する知見や技術、今後の成長性といった点についても着目した企業誘致活動に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆31番(蛭田克君) 前向きな御答弁ありがとうございます。 3点目ですが、全国への発信についてであります。 本構想の意義や内容をさらに充実・整備し、さまざまな方法を駆使しながら、全国・全世界に向けて、いわきバッテリーバレー構想ここにありとの情報発信を強化していき、学生・外国人から企業まで広く人材を集めることが大切であると考えますが、いかがでしょうかお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) バッテリーバレー構想の推進に向けましては、これまでも、首都圏等で開催される見本市や商談会において、本構想の意義や内容を積極的にPRしてきたところであり、こうした動きが、先ほど答弁で申し上げましたバッテリー関連企業の本市への進出の動きにつながっているものと捉えております。今後、これらのバッテリー関連企業が本格的に事業を開始することにより、EVなどの先進的なモビリティーや高効率のバッテリーなど、インパクトの高い新たな商品が、いわきから世界へ向けて発出され、本構想への注目度が一層高まることが期待されているところであります。 今後におきましても、引き続き、一般社団法人いわきバッテリーバレー推進機構などの関係団体と連携し、本構想に基づく各種取り組みに加え、事業成果の情報発信も強化しながら、本市バッテリーバレー構想の認知・関心度を高め、優秀な人材や技術力の高い企業の集積につなげてまいりたいと考えております。 ◆31番(蛭田克君) 大変心強い御答弁いただきましてありがとうございます。市民の方もそれから企業の方も、バッテリーはいわきだという将来に向けての明るい姿が見えてくるような気がいたします。どうか今後ともよろしくお願いいたします。 大きな質問の3は、産業廃棄物プラスチックごみ、いわゆる産廃プラごみの焼却要請についてであります。 新聞報道によりますと、環境省は5月20日に、国内で産業廃棄物として排出されたプラスチックごみを、市区町村の焼却施設などで積極的に受け入れるよう要請したとのことでした。この背景としては、中国がプラスチックごみ輸入を禁止したためなどにより、国内処理が追いつかなくなり、自治体の施設活用による後追いが必要であると判断されたことにあるようであります。この件につきまして、以下の点について質問いたします。 1点目、環境省は、20日付で都道府県などを通じて市区町村に通知したとのことでありますが、環境省からの本市への焼却要請は通知されているのでしょうか伺います。 ◎生活環境部長(荒川信治君) プラスチックごみの焼却要請を含む廃プラスチック類等に係る処理の円滑化等に関する通知につきましては、5月20日に、環境省から本市に通知されているところであります。 ◆31番(蛭田克君) 2点目であります。通知では、ごみ焼却施設などがある市区町村は、産業廃棄物プラスチックごみを積極的に受け入れるようにと要請しておりますが、このことについて市はどのようにお考えかお聞きいたします。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 環境省からの通知を受け、市内の廃プラスチック類の産業廃棄物中間処理業者にアンケート調査を実施したところ、プラスチックごみの処理状況につきましては、停滞は見られず、設備投資や人員の増等で受け入れ量の拡充を検討すると回答した事業者もあることから、現時点では、市の施設で受け入れる必要性はないものと考えております。なお、今後も、プラスチックごみの処理状況を注視し、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆31番(蛭田克君) 3点目ですが、このたびの通知では、一部の自治体が域外からの産業廃棄物搬入を厳しく規制しており、プラスチックごみ処理の滞留を悪化させかねないと指摘しております。 そこで、広域処理を進めるため、産廃業者に対する搬入規制、すなわち撤廃もしくは撤廃が困難な場合には手続の簡素化などを求めておりますが、これら搬入規制については、市はどのようにお考えか伺います。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 本市におきましては、プラスチックごみを含め、産業廃棄物中間処理業者等への産業廃棄物の搬入規制は行っていないところであります。 なお、県外から搬入される産業廃棄物につきましては、市内での適正処理を推進するため、市産業廃棄物処理指導要綱に基づき、排出事業者と事前協議を行っておりますが、過度な負担とならないよう対応しているところであり、迅速な事務にも意を用いているところであります。 ◆31番(蛭田克君) 4点目、通知では、保管し切れないプラスチックごみの不法投棄がふえる懸念もあることから、自治体に監視強化を要請しておりますが、市はどのように考えるか伺います。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 現在までのところ、市内でのプラスチックごみの不法投棄につきましては、平成29年末の外国政府による使用済みプラスチックの輸入禁止措置の影響と見られる変化は認められないところであります。これまでも不法投棄防止対策といたしましては、地域に密着した63名の不法投棄監視員や1,300名を超える不法投棄監視サポーター、警察官OBによる産業廃棄物適正処理監視指導員による監視活動などを実施しているところであり、今後も引き続き、不法投棄の未然防止に努めてまいりたいと考えております。 ◆31番(蛭田克君) 5点目ですが、通知では、事業者がリサイクル資源として輸出しようとした場合でも、汚れの状態などから廃棄物に該当する可能性があれば環境省への情報提供を求めておりますが、市はどのように考えるのか伺います。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 先ほどのアンケート調査において、現在、使用済みプラスチックを海外へ輸出している事業者はいないことを確認したところであります。 なお、産業廃棄物に該当するものを海外へ輸出しようとする産業廃棄物処分業者を、立ち入り検査や通報等で確認した場合には、速やかに環境省に情報提供してまいりたいと考えております。 ◆31番(蛭田克君) 6点目、通知では、プラスチックごみを排出する事業者に適正な処理費用を負担するよう自治体の指導強化を求めておりますが、市はどのようにお考えか伺います。 ◎生活環境部長(荒川信治君) プラスチックごみを含め、廃棄物の排出事業者は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の規定により、事業活動に伴って生じた廃棄物をみずからの責任において適正に処理するか、他人に委託する場合には、廃棄物処理業の許可を有する者などに委託しなければならないとされており、その責任は極めて重いものとされております。 市といたしましては、これまでも、市公式ホームページなどにおいて、廃棄物の排出事業者がその責任を果たすよう促してきたところでありますが、今回の環境省からの通知を受け、廃棄物の分別の徹底や適正な処理費用の負担について、改めて周知したところであります。 ◆31番(蛭田克君) 昨今のマスコミ報道等で、プラスチックごみの不法輸出や海洋汚染などが問題となってきております。報道されております。今後は地球規模での環境浄化というものが大変大事になってくると思いますので、そういったものに向けて本市でもしっかりとした対応をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 大きな質問の4は、県立高校の再編にかかわる問題についてであります。 県教委は、去る2月8日、2019年から2023年までの県立高校改革の前期実施計画において、全日制と定時制の25校を13校に再編すると発表いたしました。このことにより、市内では、小名浜高校といわき海星高校が2021年度に統合となり、通常授業は小名浜で、実習はいわき海星の校舎を使用して行う、また湯本高校と遠野高校は統合となり、遠野高校は2022年度に募集停止、廃止となることが示されました。 また、今回は、以下のことも発表となりました。1点目は、望ましい学校規模を1学年3から6学級とし、3学級以下の高校については近隣校との統合を進めること。2つは、今後10年間で約100学級を減らす基本計画を策定し、2023年度までに再編しない高校を含め、計42学級を削減予定とすること。3つは、生徒の進路希望に対応するため、各校の特色化を図ることであります。こういった3つの点が出されておりますが、このことが進めば、今後は本市の県立高校の数も内容も、さらには校風までも大きく変わってくることが予想されます。こういった中で、我々は先人が築き上げてきたこれまでの本市高等教育を超えるような、よりよい形での高等教育機関を後世の皆様に残していく義務と責任を有していると考えます。そして、市もその一翼を担っていく行政機関であると考えます。県立高校は県の所管であることは十分承知しておりますが、以上の考えに立ち、以下伺います。 1点目、再編によって新たな課題が発生することが危惧されます。 実際に、生徒が新たな統合校でみずからのモチベーションを高めることができるだろうか。学力や能力の違いを統合校でどのように克服するのだろうか。生徒への適切な進路指導ができるのだろうか。良好な友人関係ができるのだろうか。いじめや不登校は多くならないだろうかなど、多くの心配する声が地域や教育関係者の方々から挙がっております。 このことを踏まえた上で、県教委の今回の本市における小名浜高校といわき海星高校の統合、湯本高校と遠野高校の統合などの県立高校の再編に関して、市はどのように考えるか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 市内の県立高等学校の再編につきましては、再編される高校それぞれにこれまで育んできた伝統や校風、果たしてきた役割などがあることや、再編によりさまざまな不安が表出することも想定されますことから、それらを十分に踏まえながら、再編する意義につきまして、保護者や地域に明らかにして進めることが極めて重要であると思っております。 ◆31番(蛭田克君) 2点目は、市は今般の再編により、市内中学校においてどのような課題が想定されると考えるのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 県立高校の再編により、中学校において想定される課題につきましては、進路指導におきまして、再編後の高校の概要や特色、志願してほしい生徒像などが適切な時期に明らかにならない場合、3年生の生徒及び保護者にとって、進路選択の見直しを図らなければならない場合があることや、志望校選択に当たっての戸惑いや不安が生じることなどが想定されるところであります。 ◆31番(蛭田克君) 3点目は、県教委の計画によりますと、今後はさらに市内3学級以下、すなわち2学級の高校、現在のままで言いますと、勿来、好間、四倉の各高校の再編が進むことが予想されます。このことが計画どおりに進みますと、現在より一層生徒が自分に合った志望校選択の余地が減少することとなり、これまで以上に課題が深刻化してくることが懸念されます。そこで、本市の将来を担う子供たちや本市教育環境の一層の充実に目を向ければ、市としても今後市ができることについて取り組んでいかなければならないと考えます。 そこで、今後想定される課題について、市としてはどのような対応をしていくのかについて伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 市教育委員会といたしましては、県立高校の再編により、進路選択にかかわる課題も想定されますことから、小・中学校においては、引き続き、主体的に学び続け、たくましく未来を切り開こうとする生きる力を身につけた児童・生徒の育成に努めるとともに、今後、県教育委員会の動向を注視しながら、統合する高校に関する情報を適宜学校に提供するなどして、高校進学を希望する全ての生徒が将来を見据え、個性や特性に応じて適切な進路を選択し、高校に進学した後も自分のよさを十分に発揮することができるよう、各学校における進路指導の充実に努めてまいる考えであります。 ◆31番(蛭田克君) この課題で最も注意しなければならないと私が思うのは、県立高校だから、こっちは市だからと、県とか市とかいう枠の中で物事を見ていくことが非常に私は危険だと思います。県であろうと市であろうと、ここにいる子供たちは県民であると同時に市民でもある。そういう中で、このいわき市の教育を上昇・発展させていくことが県の教育を発展させていくことにつながると思うのであります。吉田教育長も県におられたわけでございますので、この県とか市とかいう枠を超えて取り組まなければならないところだと思います。いわき市は非常に今大事な時期に来ていると思います。そして、いわき市が県のほうにこういう教育が望ましいんだと、こういう教育を我々は求めているんだということをしっかり言うことが私は大事だと思う。それが民主的なことだと思います。教育が一番民主的でなければならない。その民主的でなければならない教育が下から上にどんどんどんどん発言していくことが私は今後望まれるのではないかと、それがいわき市にとって未来をつくっていくことだと私は思うのでありますが、もし何かありましたら、教育長一言いただければありがたいんですけれども。 ◎教育長(吉田尚君) 議員おただしのとおりで、まず市の教育委員会としてしっかりと考えなければいけないのは、部長も答弁しましたように、まず高校等の統廃合によって中学校の子供たちが不安に陥ることが一番やはり大変心配されるところで、その点について中学校の進路指導をしっかりやっていくということが第一義であると。それから、将来のいわきを見通した場合に、小・中学校のみならず市内の高等学校がどういう教育を進めていくことが大事なのかというのは当然のことながら重要なことで、いろいろな折に触れながら県の教育委員会と話し合う場もありますので、そういうところでいわき市の実情等についてもしっかりと発信していくことが大事だと考えております。 ◆31番(蛭田克君) 遠野高校の統廃合に当たりまして、遠野地区、田人地区の卒業生や保護者の皆さんから涙ながらにお話を聞かされました。今後、この傾向が勿来、好間、四倉と進んでいくことが予想されるわけでありますが、本市のいろいろなところでOBや卒業生、現職の人、そういった市民の方々から多くの声が出てくると思います。どうか今後とも大変だと思いますけれども、どうか教育委員会のほうでもしっかりと受けとめていただいて、今後対応していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 大きな質問の5は、農業振興地域農用地区域、すなわち農振農用地区域の見直しに関する課題についてであります。 本市では、農振農用地区域について、農地の有効利用を初め、各種生産施設の計画的な整備により、農業の振興と農村の活性化を図ることを目的として、昭和48年に県知事の認可を受け、優良農用地の確保と適正な管理に努めているとのことであります。私も農振農用地区域は優良な農地を将来にわたって確保していくための重要な土地であることは十分承知しております。さらには、無作為・無防備に解除した場合、虫食い状態になり、将来の農業全般または食糧自給などの面において及ぼす影響は大変大きなものがあると考えます。さらには優良農地を守ることが、農業の振興、担い手の育成、農業の近代化、農家所得の増大などに結びつくものであると理解するところであります。 しかし、その一方で、後継者不足や高齢化、さらには過疎化等の進展により農地としての継続を希望しない農地所有者においては、農地の見直しや解除を強く求めていることもまた現実なのであります。時代も変わり、社会も変わっていく中で、住民の生活や職業観にも変化が生じており、所有地をめぐる価値観や活用方法、ニーズなども変わってきていることは当然のことであると考えます。今後は、私的な土地所有という部分にも目を向け、耳を傾けながら、市民が真に希望することに光を当てることも必要ではないのかと強く思うところであります。以上の観点に立ち、以下伺います。 1点目は、前回の答弁に関してであります。 平成27年12月定例会において、私は、農振農用地区域の解除も含めた見直しが必要ではないかという質問をいたしました。このことに対し、農振農用地区域を総合的に見直す農業振興地域整備計画の総合見直しは、おおむね5年ごとに実施することとしており、今後も社会的・経済的情勢の変化により見直しは必要との見方を示され、見直しに当たっては、各種復興事業の大規模な土地利用の状況を見きわめながら適切な時期に実施したいとの答弁をいただきました。 そこで、農業振興地域整備計画の総合見直しについて、これまでどのように取り組んできたのか伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 今回の農業振興地域整備計画の総合見直しについてのこれまでの取り組みにつきましては、昨年度は、市内全農家を対象としたアンケートによる意向調査や、各地区の農事組合長等を対象とした地区説明会の開催、現地調査を実施したところであり、今年度はこれらに加え、集落座談会の開催など、事業の周知や意見の集約、現況の把握等を実施しているところであります。 ◆31番(蛭田克君) 2点目は、現在の取り組みについて伺います。 農業振興地域整備計画の総合見直しにおいて、現在、力を入れて取り組んでいることはどんなことなのか伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 昨年度行ったアンケート調査や地区説明会等から、農業者の高齢化、担い手不足、営農意欲の減退等が浮き彫りになっており、今後、耕作放棄地が増加することが懸念される状況にあります。 市といたしましては、国が食料自給率の向上を図るため、国みずからが責任を持って国内の農業生産に必要な農地の確保・有効利用を図ることが必要と示していることから、農地は農業生産の最も基礎的な資源であるとの考えのもと、現地調査による現況の確認を十分に行った上で可能な限り優良農地を確保することに力点を置いて計画を策定しているところであります。 ◆31番(蛭田克君) 3点目、これが最も大事なところでございますが、今後の対応についてであります。農振農用地区域の現状について、農業者の高齢化や担い手不足等により農振農用地区域でありながら、耕作放棄地など農地として使用されない区域も散見されております。 このような土地の利活用の今後の展望について、市はどのように考えているのか伺います。 ◎農林水産部長(本田和弘君) 市といたしましては、農地を良好な状態で維持・保全し、かつ、その有効利用を図りたいと考えており、中山間地域等直接支払制度や多面的機能支払交付金制度を活用した農地の保全管理などを進めているところであります。 このため、農業振興地域の農用地区域からの除外については、農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないことなどの複数の要件を全て満たす場合に限り可能となるものではありますが、自然条件等によりまして、農地としての利用が見込めない耕作放棄地につきましては、地域農業者の意向や地域の実情を十分に勘案しながら、総合見直しの中でその取り扱いについて検討してまいりたいと考えております。 ◆31番(蛭田克君) 私、この問題についていろいろ何回か質問させてもらっておりますが、本当にいろいろ大変な問題でございまして、そのたび真剣に答えていただき、捉えていただいていることにまずは感謝申し上げます。ただ、しかしながら、もう40年、50年経過しており、大変高齢者も多くなって後継ぎがいない。そういう中でやはりこの耕作放棄地についての見直しをできるだけ早く前へ進めていただければ、大変市民にとってもいい結果になるのではないかと思いますので、どうか今後とも、見直し、進展についてよろしくお願いしたいと思います。 カットし過ぎてちょっと時間が余ってしまいましたが、最後になります。今回は郷土愛の醸成をメーンテーマとして質問いたしました。経済、産業、医療、福祉、教育、文化、いずれを見ても、その根底には郷土愛が横たわっております。いわきが好きだから企業を発展させ、市民の雇用や所得をふやしたい、いわきが好きだから任期が終わっても医師としていわきに残りたいなど、多くの市民の皆様が、いわきが好きだからいわきの役に立ちたい、貢献したいといった一念で進むことができたら、本市の将来に向けて本当にすばらしいことだと思います。 本市の長所がぐんぐん伸びていき、郷土愛の醸成が一層進展されていくことを心から念願し、ちょっと時間が余りましたが、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午後2時20分まで休憩いたします。          午後1時59分 休憩---------------------------------------          午後2時20分 再開 △狩野光昭君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。11番狩野光昭君。          〔11番狩野光昭君第二演壇に登壇〕 ◆11番(狩野光昭君) (拍手)11番いわき市議会創世会の狩野光昭です。以下、通告順に従い一般質問をいたします。 大きな質問の1つ目は、働き方改革などについてであります。 1点目は、働き方改革関連法についてであります。 皆さんにお配りした厚生労働省の資料を参考にしていただきたいと思います。働き方改革関連法により労働基準法が改正されました。時間外労働については、原則月45時間、年360時間とし、上限は月100時間未満、年720時間以下と規制されました。また、最低5日の年次有給休暇の取得が使用者に義務づけられました。以上の法律の規定を守らなかった場合、労働基準法第119条、第120条で罰則が規定されました、その内容について伺います。 ◎産業振興部長(石曽根智昭君) 労働基準法において、時間外労働の上限規制に違反した使用者は、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処するとされ、また、年5日の年次有給休暇を取得させられなかった使用者は、30万円以下の罰金に処すると定められております。 ◆11番(狩野光昭君) 今、お話あったように、30万円以下の罰金というのは、これはあくまでも1人についての罰金でありまして、その人数が多くなれば加算されるということであります。 続いて、いわき市で罰則規定が適用される職場について伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本市におきまして、時間外勤務や年次有給休暇に係る労働基準法の罰則規定が適用となる職場につきましては、地方公務員法及び地方公営企業法の規定により、水道局及び医療センターとなっております。 ◆11番(狩野光昭君) ここの事業者は違反すれば罰則規定が適用されるということでありますので、きちんと労働時間の管理を毎月しながら適正な管理をしていただかなければならなくなったと思っております。 2点目は、それでは、いわき市の職員の働き方改革について伺います。 いわき市職員の平成30年の年4日以下の年次有給休暇取得者の職員数について伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 平成30年に通年で勤務し、年次有給休暇の取得日数が4日以下であった市長部局の職員は225人となっております。 ◆11番(狩野光昭君) 続いて、平成30年度の時間外労働が45時間を超える職員数について伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 平成30年度におきまして、一月でも45時間を超える時間外勤務を行った市長部局の職員は、1,627人中、372人となっており、このうち月100時間を超える時間外勤務を行った職員は69人となっております。 ◆11番(狩野光昭君) 過労死基準ということの100時間が69人いるという大変深刻な状況であります。 それでは、いわき市職員の勤務時間、休暇等に関する規則の一部を改正する規則の概要について伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本年4月1日に施行いたしました、いわき市職員の勤務時間、休暇等に関する規則の一部を改正する規則の概要につきましては、まず、時間外勤務命令を行うことができる上限を、原則として月45時間、年360時間とし、また、業務量や業務の実施時期をみずから決定することが困難な業務、いわゆる他律的業務に従事する場合には、時間外勤務命令を行うことができる上限を、月100時間未満、年720時間、二月から六月までの期間における時間外勤務時間が月平均80時間以下、月45時間を超える時間外勤務は年六月までと定めたところであります。 さらに、大規模災害への対処等重要な業務であって、特に緊急に処理をすることを要する業務、いわゆる特例業務に従事する職員につきましては、上限を超えて時間外勤務を命じることができることとしておりますが、この場合には、翌年度の9月末までに、その要因の整理、分析及び検証を行わなければならないこととしたところでございます。 ◆11番(狩野光昭君) それでは、罰則規定がない中で、規則の遵守をどのように担保していくのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 職員の時間外勤務の縮減に向けましては、これまでも年度間の業務量の見通しに立った人員配置や、育児休業中の職員の代替配置等を行ってきたほか、職員みんなのワーク・ライフ・ハッピープランに基づき、計画的、効率的な事務・事業の執行や、事務分担の見直し、臨時的・緊急的な業務に対する課や係を超えた応援体制の構築など、所属長、管理監督者及び職員それぞれの役割に応じたさまざまな取り組みを行ってきたところであります。 また、今般の時間外勤務に係る上限時間の設定を踏まえた対応といたしましては、服務通知や課長職研修等において、所属長は、部下職員の時間外勤務命令に際し、当該月における累積超過勤務時間を確認すること、管理職につきましても、時間外勤務を行う際には、上司の命令を受けることなど、時間外勤務の適切な管理について、周知を図ったところであります。 今後におきましても、これらの取り組みを着実に推進いたしますとともに、ロボティック・プロセス・オートメーション、いわゆるRPAの活用に向けた調査・研究を行うなど、さらなる取り組みについても検討しながら、時間外勤務の適切な管理に、なお一層努めてまいりたいと考えております。 ◆11番(狩野光昭君) 時間外労働を減らす取り組みの最も効果があるものは、職員をふやすか、あるいは業務量を減らすかなんですよね。この2点なんですよ。ここについてきちんと現場はやはり課長・課長補佐が担当となっておりますので、そこの管理者が責任を持って、労働基準法に違反するような状況が起きたら、減らす取り組みというものをきちんと指導すると同時に、やはり職員間できちんと仕事の分担も含めて話すということが私は必要かなと思いますので、そういったことを徹底していただきたいなと思っております。 3点目は、教職員の働き方改革についてであります。 平成30年度の時間外労働が月80時間を超える職員数について伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 平成30年度の市内公立小・中学校における、教職員の時間外勤務の状況につきましては、月平均で、時間外勤務が80時間以上の小学校教職員は8名、全体の約0.4%であり、そのうち100時間を超えた教職員は3名、全体の約0.1%であります。また、月平均で時間外勤務が80時間以上の中学校教職員は112名、全体の約15.5%、そのうち100時間を超えた教職員は49名、全体の約6.8%であります。 ◆11番(狩野光昭君) 中学校教員において、本来大変深刻な長時間労働の実態が報告されたと思います。やはり教職員の多忙化解消に向けた取り組みが本当に必要になってきているのかなと思っています。平成31年1月25日の中央教育審議会答申では、時間外勤務は月45時間、年360時間を上限とするガイドラインが示されました。 このガイドラインを遵守するための取り組みについて伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 時間外勤務の上限ガイドラインの遵守に向け、市教育委員会といたしましては、これまで、多忙化解消の取り組みの一環として、学校閉庁日の設定、留守番電話の導入と活用、部活動運営方針の策定などに取り組んでまいりました。 今後につきましては、本年3月に改定された県教育委員会による教職員多忙化解消アクションプランに沿って、出退勤管理システムの導入による勤務時間管理の徹底や、学校閉庁日の延長とあわせ、さらなる業務の精選や見直しなどに、市教育委員会と学校が連携して取り組んでまいる考えであります。 ◆11番(狩野光昭君) 福島県の来年度採用の小学校教員採用率が1.8倍にとどまりました。1989年以降最低基準となりました。長時間労働によるブラック企業のイメージが浸透し、民間企業に就職する希望者が多くなったことが要因に挙げられます。長時間労働の改善が進まないと、教員を志望する人がますます減少することが懸念されます。いわき市においては、臨時的任用教員の待遇改善や、思い切っていわき市が正規職員を採用することなどを含めての抜本的な改革を要望し、次の質問に移っていきたいと思っています。 4点目は、熱中症による労働環境の整備についてであります。 市有施設ではエアコン整備が進み、今年度から公立小・中学校普通教室などにエアコンが整備されています。しかし、まだエアコンが整備されていない市有施設があります。その1つが学校給食共同調理場です。調理員は高温多湿の中で作業しています。 本格的なクーラーを設置し、働く環境の向上が必要と考えますが、市の所見を伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 学校給食共同調理場における熱中症対策といたしましては、熱中症予防リーフレットを調理場内に掲示し、小まめな水分補給や、声かけなどによる注意喚起を行うなどの対策に加え、平南部、小名浜及び四倉の調理場には、スポットクーラーを設置したほか、平北部及び三和学校給食共同調理場には扇風機を設置するなど、施設規模等に応じて可能な対応を講じているところでございます。 エアコンの整備につきましては、多額の経費を要することや、工事期間が長期にわたるなど、課題が見込まれるところでございますが、近年の夏季の気温上昇により、調理員の労働環境はより厳しくなっているものと認識しておりますことから、各施設の状況や、現在検討を進めている学校給食共同調理場の全体的なあり方の見直しに合わせて、さらなる対応について検討してまいりたいと考えております。 ◆11番(狩野光昭君) ぜひ前向きな検討をお願いしたいと思います。 続いては、市立公民館のエアコン整備についてであります。 現在、全ての公民館にエアコンは整備されていません。職員の熱中症対策とともに、公民館を利用する多くの高齢者のためにも、エアコンが整備されていない公民館のエアコン整備について伺いたいと思います。 ◎教育部長(高田悟君) 市立公民館全37館のうち、エアコンのある公民館は、諸室の一部への設置も含めて、現在29館となっております。エアコンが設置されていない部屋には、扇風機を設置するなどの対策を講じておりますが、夏季の気温上昇により、公民館職員や利用者の皆様の熱中症の発症なども懸念されますことから、今後におきましても、個々の施設の状況に応じた可能な対応に努めるとともに、エアコンの設置も含め、公民館全体の環境整備につきましては、現在、市内公共施設の管理に係る個別計画として策定を進めております公民館整備のあり方などに合わせて、検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆11番(狩野光昭君) ぜひ少しずつでもいいですので、エアコンの整備を進めていただきたいと思っています。働く人が安心して定年まで働き続けられる体制を整備することを訴え、次の質問に移っていきたいと思います。 質問の大きな2つ目は、高齢者が安心して地域で暮らせることについてであります。 第8次いわき市高齢保健福祉計画では、2025年までに高齢者が可能な限り住みなれた地域で自立した生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防、生活支援などを包括的に確保するいわき市地域包括システムの構築を進め、高齢者一人一人が安心して自分らしく暮らせるための計画を立てていますが、その進捗状況を確認していきます。 1点目は、高齢者の現状についてであります。 本市の高齢者のみの世帯状況について伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 本市の65歳以上の高齢者のみの世帯数につきましては、本年4月1日現在、4万4,365世帯で、全世帯数に対する割合は30.5%となっております。 内訳といたしましては、高齢者単身の世帯数は2万6,546世帯で、割合は18.2%、単身世帯を除く高齢者のみの世帯数は1万7,819世帯で、割合は12.2%となっております。 ◆11番(狩野光昭君) 大変な実態かなと思っています。この高齢者のみの世帯がどんどんふえていくということを予測されるのかなと思っています。 それでは、2点目は、本市の介護保険要介護・要支援認定者の状況について伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 本市の要介護・要支援認定者数につきましては、本年3月末日現在、2万471人となっております。 内訳といたしましては、40歳から64歳までの第2号被保険者が472人、65歳以上の第1号被保険者が1万9,999人であり、第1号被保険者数に対する認定率は20.6%となっております。また、認定者のうち、75歳以上の後期高齢者は1万7,673人で、認定者全体の86.3%となっております。 ◆11番(狩野光昭君) 要介護の対策は、これの数字を見るとやはり後期高齢者の対策が重点化されるのかなと思ったところであります。 本市では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び夜間対応型訪問介護を提供している事業所がありません。そのサービスの体制構築の見通しについて伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び夜間対応型訪問介護につきましては、本市においては、現在のところ事業者の参入意向がなく、体制構築の見通しは立っておりませんが、高齢者が住みなれた地域で生活していく上で必要なサービスであると認識しておりますことから、需要等を見きわめながら必要な対策を検討してまいりたいと考えております。 ◆11番(狩野光昭君) 首都圏のほうではこの体制が整備されているということでありますので、ぜひ体制整備の構築について努力をお願いしたいと思います。 3点目は、医療と介護の連携についてであります。 在宅医療・介護連携情報リストを利用者が容易に取得するための取り組みについて伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 在宅医療・介護連携情報リストにつきましては、誰もが容易に取得できるよう、市公式ホームページで公開しております。また、市内の医療と介護の関係者に対し、当該リストの利活用方法についての案内を送付したほか、ケアマネジャーなどが参加する会議において、周知に努めているところであります。 ◆11番(狩野光昭君) 私もそのホームページ見たんですけれども、事業者数がすごくあってなかなか情報にたどり着けないという状況があります。高齢者福祉計画で方針化している在宅医療・介護連携情報リストのマップ化、つまり地図による一覧表を早期作成し、医療や介護などへの利便性を図ることをぜひ要望していきたいと思います。ぜひ財政部の方、御理解をお願いしたいなと思います。 続いては、いわき医療圏退院調整ルールについてであります。 このルールは、病院から退院後に切れ目なく介護サービスを受けられるため、病院とケアマネジャーが連携し、入院時から情報を共有し、退院に向けた連絡・調整を行う仕組みとなっています。しかし、懸念されるのが、退院調整のもれ率です。平成29年の調査では37.2%、平成30年は少し改善されて28.4%となっております。 このもれ率を減らす取り組みが必要かと思いますけれども、市の所見を伺います。
    保健福祉部長(飯尾仁君) 退院調整ルールにつきましては、毎年、その課題や改善すべき点などについて、関係者に対しアンケートを行い、その結果に基づき、まず医療ソーシャルワーカーなどの病院関係者間、及びケアマネジャーの代表者間で退院調整ルール運用評価会議をそれぞれ開催し、その後、両者合同で意見を調整しながら、ルールや運用の改善を図ることにより、病院からケアマネジャーに連絡がないまま退院する割合、いわゆるもれ率が減少するよう取り組んでいるところであります。 ◆11番(狩野光昭君) このもれ率の対象の方は、介護サービスを受けられる時期が少しおくれるということでありますので、これはなくすような取り組みをぜひお願いしいたいなと思っております。 4点目は、介護予防の取り組みで、シルバーリハビリ体操教室、つどいの場創出支援事業、ボランティアポイント事業などへの参加者がふえていますが、平成29年度、平成30年度の実績について伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 各事業の実績について申し上げますと、シルバーリハビリ体操事業につきましては、教室数及び参加者数が平成29年度231カ所4,094人、平成30年度255カ所4,432人、住民主体の活動の拡充を図るつどいの場創出支援事業につきましては、箇所数及び参加者数が、平成29年度413カ所9,033人、平成30年度442カ所9,319人、いきいきシニアボランティアポイント事業につきましては、登録者数が平成29年度678人、平成30年度793人、高齢男性の低栄養予防を目的とした、さきがけ!男の料理塾につきましては、参加者数が平成29年度42人、平成30年度41人となっているなど、着実に取り組みの拡充が図られるとともに、介護予防活動を通じた地域づくりにも寄与しているものと考えております。 ◆11番(狩野光昭君) 5点目は、認知症対策についてであります。 本市の認知症高齢者は、直近の数値で約1万4,000人がいると推計されます。その相談窓口は地域包括支援センターで行っていますが、認知症対策では、早期発見・早期対応に向けた取り組みが重要となっています。 本市の取り組みについて伺います。 ◎市長(清水敏男君) 認知症の早期発見・早期対応に向けた取り組みとしては、平成28年6月に認知症初期集中支援チームを設置し、認知症専門医、看護師、精神保健福祉士及び保健師など7人体制による専門職チームが地域包括支援センター等と連携しながら、認知症が疑わしい方への初期段階における個別具体的な支援を行っており、本年5月末までに41人の方の支援を実施しております。 今年度からは、こうした従来の体制に加えて、新たに、いわき市医師会所属の認知症サポート医16人、いわき市薬剤師会所属の薬剤師8人、福島県作業療法士会いわき支部所属の作業療法士5人を新たにチーム員に迎え、一層のチーム体制強化と地域での活動促進を図るとともに、医療機関・介護関係者に対して活動の周知を図っているところであります。 ◆11番(狩野光昭君) これらの高齢者の問題を捉えた中で、6点目は、高齢者の孤立化に伴う問題が、今、露見されてきております。先ほど小野潤三議員も質問いたしましたけれども、ことしの4月からNPO法人地域福祉ネットワークいわきが、親族のいない人などを対象に、アパートなどの入居保証及び埋葬等の支援のために推進協議会を設立しました。 いわき市のかかわりについて伺いたいと思います。 ◎市長(清水敏男君) 地域包括ケアシステムの推進を目的として設置しております市地域包括ケア推進会議の作業部会におきましては、NPO法人地域福祉ネットワークいわきを初めとした庁内外の関係者により、身寄りのない高齢者や障がい者などの住まいや住まい方の現状把握、並びに解決策などを検討してきたところであります。当該NPO法人の独自事業である入居・入所・葬送等支援事業は、これまで親族が行ってきた入居・入所保証や葬送等について、親族がいない場合などに、本人の意思を前提とした各種手続の支援を行おうとするもので、高齢者や障がい者本人の意思の尊重とその実現に向け、福祉事業運営法人、不動産事業者、葬祭事業者等が連携して取り組む事業であり、本市が目指す共創のまちづくりにつながる事業でありますことから、平成31年3月に開催されました入居・入所・葬送等支援事業推進協議会発足式においても、地域包括ケア担当者が出席したところであり、当該協議会の皆様と検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆11番(狩野光昭君) 私は昨年11月定例会で、身寄りのない人の市営住宅の保証人の免除を要請しました。これは国土交通省が指導した文書にあります。これは市は検討すると言ったにもかかわらず、まだその結論の方向性は出していないんですよね。やはりNPO法人だけに任せるのではなくて、市ができるところについてはきちんと対応を図っていく中で、一緒に市とNPO法人が連携しながら、孤立化しても保証人がいなくても、きちんと住居保証をするというような取り組みが私は必要と思っておりますので、ぜひそういったことも検討していただきたいなと思っています。 続いては、高齢者の移動手段の確保についてであります。 単身高齢者がふえる中、運転免許証を返上した高齢者などの買い物や通院などの支援は切実なものとなっています。市は、高齢者の事故の未然防止などを図るために、運転免許証を返上した方に対し、1人5,000円相当の公共交通機関などの利用券を1人1回に限り支給していますが、欲しい利用券がないとの意見もあります。北茨城市は運転免許証を返上した65歳以上の高齢者などに、1人1回につき630円のタクシー助成金を毎月4回、12カ月つづりを発行し、市民から大変喜ばれています。 いわき市も同様の内容で事業を実施することが必要と考えますが、市の所見を伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 本市においては、交通事故の未然防止を図ることを目的に、高齢者運転免許証自主返納促進事業として、運転免許証を自主返納した75歳以上の市民に対し、公共交通機関または公共施設の利用券を交付しておりますが、利用券の交付は移動の代替に対する支援ではなく、自主返納の契機づくりであるとの考え方に基づき、先進自治体の事例を踏まえ、1人1回に限り5,000円としているところであり、事業の拡大については困難でございます。 ◆11番(狩野光昭君) 困難というのはすごく残念なんですけれども、私が言いたいのは、やはり高齢者の移動手段はすごく切実なものなんですよね。だから、ぜひ市民生活課だけではなくて、保健福祉部、総合交通対策室、そういった部局をまたいで横断をしながら、高齢者の移動手段というものが確保しなければならない社会的な問題になりつつあると思っております。 例えば、いわき市の免許返上者の人数は、平成30年度は1,033人のうち、後期高齢者は840人にもなっているということなんですね。この人たちの移動手段は本当に切実なものになっておりまして、この1人5,000円の市で行っている公共交通機関の利用券ではなかなか返上人数というのはふえないと思うんですよね。そういったことを含めて、ぜひ総合的に高齢者の移動手段の確保については検討する時期に私は来ていると思いますので、困難ということではなく、総合的に検討した中でうまい方向というものをぜひ検討していただきたいなと思っています。 続いては、高齢者などのごみ出し支援についてであります。 環境省がことし市町村を対象に調査した結果、今後高齢化に伴うごみ出しが困難となる住民がふえると回答した自治体は、何と87.1%に上がりました。単身高齢者がふえる中、高齢者のごみ出し支援は避けて通れない問題となっています。高齢者や障がい者などのごみ出し支援は、福島市のように市が個別訪問でごみを収集するタイプと、自治会等が実施するコミュニティー支援型があります。 いわき市も高齢者などのごみ出し支援について他市町村の先行事例を参考にしながら検討することが必要と考えますが、所見を伺います。 ◎生活環境部長(荒川信治君) 高齢者や障害のある方へのごみ出し支援につきましては、これまで実施主体や収集方法等の課題について、他市の状況等を調査・研究してきたところであります。また、平成30年度に国が実施した全国1,741市区町村を対象とするごみ出し支援制度の調査結果によりますと、戸別収集などの支援制度を設けているのは、回答のあった1,648市区町村中、387市区町村で、全体の約23%となっており、実施していない自治体は、収集費用や人員の確保が課題であるとしているところであります。 本市におきましては、地域住民ボランティアの皆様方によるいわき市住民支え合い活動づくり事業において、生活支援の一環として、ごみ出し支援を実施している地区が拡大しているところでもあります。 今後は、現在、国において、環境分野からの高齢化社会に対応した廃棄物処理体制の構築を検討していることから、その動向にも注視しつつ、さらなる地域との共助等による取り組みの拡大に向け、地域の皆様や関係団体・部署と連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。 ◆11番(狩野光昭君) ぜひよろしくお願いします。 続いては、高齢者などのなりすまし詐欺等の防止対策についてです。 市内でもなりすまし詐欺に遭っている高齢者が多くいます。だまされる多くのケースは、固定電話での会話から始まっています。有効な対策として、自動通話録音機の無償貸し出しや、購入時の補助金を出している自治体や、東京都目黒区では警察などと連携した迷惑電話自動着信拒否装置を貸与しています。 いわき市も他市の取り組みを調査し、なりすまし詐欺防止等の取り組みの強化をすべきと考えますが、所見を伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) なりすまし詐欺等による被害防止に向けては、高齢者を初めとする市民の皆様が、自立した消費者として、みずから被害防止に努めていただくことが何よりも大切であります。こうしたことから、市といたしましては、消費者あんしんサポートプランいわき市消費者教育推進計画を策定し、ライフステージに応じた消費者教育推進講座の開催や、消費者教育副読本等の作成・配布を通じた注意喚起などに取り組んでいるほか、本庁・支所・消費生活センターの14カ所に相談窓口を設置しているところであります。さらには、地域活性化包括連携協定等に基づき、金融機関等において、なりすまし詐欺等に関する注意喚起を行っていただくなど、地域の見守り体制の整備にも努めているところであります。 今後におきましても、いわき市防災メールなどを活用し、振り込め詐欺等の発生状況、その他被害防止に関する有用な情報を、事業者や市民の皆様と共有しながら、なりすまし詐欺等による被害防止に取り組んでまいりたいと考えております。 なお、議員から御提案いただきました自動通話録音機の貸与等につきましては、他市町村の取り組み状況に加え、現在実施しております福島県警察本部の事業実績や効果などを踏まえながら、今後検討してまいりたいと考えております。 ◆11番(狩野光昭君) ありがとうございます。時間がないので、次の質問に移らせていただきます。 大きな質問の3つ目は、小規模事業者の育成についてであります。 いわき市小規模修繕契約希望者登録制度における平成30年度の業者別の発注状況について伺います。 ◎財政部長(澤田洋一君) 小規模修繕契約希望者登録制度の対象となる設計金額50万円以下の修繕の平成30年度における発注金額につきましては、合計で5億7,415万1,751円となっており、業者区分別の内訳は、本制度に登録している小規模修繕事業者に対する発注金額が1億1,726万2,466円で、全体に占める割合が20.4%、建設工事の部の入札参加有資格者名簿に登録のある業者への発注金額が4億4,957万1,881円で、割合が78.3%、いずれにも登録のない未登録業者への発注金額が731万7,404円で、割合が1.3%となっております。 ◆11番(狩野光昭君) 続いての質問は、小規模事業者への発注実績をどのように拡大していくのか、その取り組みについて伺いたいと思います。 ◎市長(清水敏男君) 小規模修繕事業者への発注実績の拡大の取り組みにつきましては、定期的に小規模修繕の発注状況を庁内で共有し、各発注部署に対し、他社では修繕できないなど、やむを得ない場合を除き、小規模修繕事業者へ発注するよう求めているところであります。 また、指定管理者制度を導入している施設についても、その所管課を通じ、指定管理者に対し、小規模修繕事業者の積極的な活用を依頼してきたところであります。これらの取り組みなどにより、平成30年度における小規模修繕事業者への発注実績を前年度と比較した場合、発注金額の割合は、17.1%から20.4%と3.3ポイント増加しており、金額でも約2,342万円増加しているところであります。 今後におきましても、いわき市中小企業・小規模企業振興条例に基づく中小企業等の振興の視点を踏まえ、小規模修繕事業者に対する発注の拡大に努めてまいりたいと考えております。 ◆11番(狩野光昭君) ありがとうございます。市内の新設住宅着工戸数の落ち込みは大変大きいものがあって、なかなか町場の仕事確保が困難となってきておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 大きな質問の4つ目は、動物愛護についてであります。 最後の質問は、所有者のいない猫の不妊・去勢手術費一部助成についてであります。 市内では、残念なことに心ない人による捨て猫が後を絶ちません。動物の命をとうとぶ市民がボランティアでその猫を捕獲し、動物病院で2万円を超える不妊・去勢手術費を自己負担で行い、飼育し、譲渡を行っています。その活動には頭が下がります。市の所有者のいない猫の不妊・去勢手術費一部助成事業は、ボランティアで保護活動を行っている人の大きな支えとなっています。 一部助成金は、年度途中で予算額に達していると伺っていますが、過去2年間の事業実績について伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 所有者のいない猫の不妊・去勢手術費の一部助成事業につきましては、平成29年7月より開始したものであり、これまでの実績は、平成29年度が、7月から3月下旬までで274匹、平成30年度が、4月から11月上旬までで285匹となっており、いずれも予算の関係から年度途中で助成を終了しております。 ◆11番(狩野光昭君) 最後の質問になりますけれども、年度途中で予算額に達成しているということでありまして、予算額に達成した後、捨て猫を捕獲して不妊・去勢をしている動物愛護団体の負担増は切実なものがあります。 捨て猫や殺処分をする猫をふやさないためにも予算額の増額をすべきと考えますが、市の所見を伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 所有者のいない猫の不妊・去勢手術を推進することで、みだりな繁殖を抑え、数をふやさないようにすることができるとともに、それらに起因する被害や苦情の軽減を図るための有効な手段の1つであると考えておりますが、所有者のいない猫の生息実態の把握が困難であることや、当該事業は開始して間もないことから、今後におきましては、これまでの事業実績や効果を検証しながら、より効果的な事業の進め方について検討してまいりたいと考えております。 ◆11番(狩野光昭君) 今の単身高齢者のふえる中で、そこの家には犬・猫を飼っている人がすごく多いんですよね。やはり寂しいということで。犬・猫を飼育することで、散歩したり餌をやったり話しかけたりすることで認知症予防にもつながっているし、健康増進にもつながっているんですよね。そういったふえている人たちがある一方で、多頭飼いで、やはりそこの高齢者が亡くなった場合、それが放置されて野良猫になってしまうような状況もあるということであります。そういった現状を踏まえて、この事業開始により猫の殺処分数は平成28年度が177匹、平成30年度においては159匹と減少し、確実に効果が上がっているわけなんですよね。だから、例えば予算額が満額に達成した場合は、ぜひ補正で対応してもらいたいなと思うんです。予測がつかないということであるならば、補正でぜひ対応していただきたいと思います。何せ二万数千円のお金を個人で出してボランティアでやっている人たちの思いというものをぜひ酌んでいただくことを要望して、私の質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(菅波健君) ここで、午後3時10分まで休憩いたします。          午後3時01分 休憩---------------------------------------          午後3時10分 再開 △伊藤浩之君質問 ○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。10番伊藤浩之君。          〔10番伊藤浩之君第二演壇に登壇〕 ◆10番(伊藤浩之君) (拍手)10番日本共産党・市民共同の伊藤浩之です。このたび、私、諸般の事情で無所属となりました。他の会派の議員さんから、机を用意するからこっちに来たらいいだろうなどと声をかけていただきましたが、私の立ち位置からはなかなかハードルが高過ぎて御遠慮させていただきました。あんたはもともと保守なんだからという御指摘もありましたが、これは思い当たることがありました。 震災後、再生可能エネルギーの住民による活用をテーマにしたツアーに参加して訪ねたドイツで、現状を説明してくれた現地に住む邦人から、かの国では、保守と革新は憲法に対する姿勢で色分けされ、憲法を守れが保守で、憲法を変えろが革新となるのだそうであります。ドイツ人に日本の現状を説明し理解してもらうのは、なかなか困難な非常に骨が折れることだという話を聞きました。 私は平和憲法を守れと言いますし、また、日本国憲法のもとで象徴天皇制は憲法の趣旨に沿って厳格に維持すべきと考え、象徴天皇制維持のためには女性天皇も認めるべきとも考え、ついでに言えば、今上天皇の幼名浩宮から1字をいただき、浩之と名づけられている私は、これ余計なことなんですけれども、ドイツの基準から考えれば、立派な保守の人ということになると思うのですが、私がそう主張しても、今、笑いが起きましたように、笑い話にしかならないようです。私は、名札を変えました。しかし、残念ながら中身はほとんど変わっていませんので、同じメンバーで会派を構成していくことになりました。したがって、これまで同様のスタンスで議論させていただきたいと思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。 さて、最初に、学校の統合について伺いたいと思います。 遠野地区には、入遠野と上遠野にそれぞれ小・中学校があり、他地区と同様に生徒数の減少が続いております。このうち入遠野小学校では、来年度の入学生が6人、次年度も6人の入学が見込まれ、2カ年度の合計入学生徒数が16人未満の場合は複式学級になるという規定から見ると、入遠野小学校の場合も早ければ2022年度、令和3年度には複式学級が生じてしまうという状況があります。 学校のあり方ということを考えるときに、その主体は教育委員会がおっしゃっているように、主体は子供であり、また、住民であるということに異論はありません。しかし、現実、統合を含めた学校のあり方について考えていこうというときに、その前提になるさまざまな問題について、住民の側は十分な情報を持っていないために、どう考えていけばいいのかわからない、あるいは戸惑いを感じるという実態があるようです。中には、一定の方向性を市教委で出してくださったほうが、自分たちとしての意見を言いやすい、こういう声もあるようです。この中で、昨年の遠野地区におけるまちづくり懇談会で、PTA代表から小・中学校統合に関する発言があり、現在、支所を中心にしながら、保護者等に対する遠野地区の小・中学校の現状についての説明がされているという経緯があります。 そこで、まず、学校のあり方について関心が高まりつつある遠野地区の動向を、教育委員会としてどのように把握しているのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 昨年11月に開催されました遠野地区まちづくり懇談会以降、遠野支所と連携しながら、授業参観日やPTA総会などの機会を捉え、遠野地区の各小・中学校の保護者に対しまして、学校再編に係る基本的な考え方や今後の児童・生徒数の推移などの説明を行ってきたところでございます。 市教育委員会といたしましても、保護者の皆様が、子供たちにとって、よりよい教育環境の実現に向けた学校のあり方に対する関心が高まってきているものと感じているところでございます。 今後におきましても、保護者や地域の方々と意見交換を重ねながら、地域の実情に応じた学校のあり方について検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 私は、統合を含む学校のあり方について考えるときに、子供の人数合わせよりも、その子供たちにどう育ってほしいのかということがまずなければならないと思っています。そして、こういう子供に育てたいという、その人物像を保護者の皆さんに共有していくことが大切になってくると思います。 そこで、教育大綱について伺いますが、大綱では育ってほしい子供たちの姿を、時代の変化に対応しつつ、未知の領域に挑戦し、次の世代をリードする人財、財は財宝の財ということになりますが、人財としています。具体的にどのような力を持った人財と考えているのでしょうか。 ◎教育部長(高田悟君) 次世代を担う子供たちには、グローバル化の進展やAIなど情報技術の急速な発展に伴い、予測が困難な社会環境の大きな変化を乗り越え、未来を切り開いていく力が求められております。このため、次の世代をリードする人財につきましては、確かな学力、豊かな人間性、たくましく生きるための健康や体力、いわゆる知・徳・体のバランスのとれた生きる力を身につけた人財であると考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) このような人物像と具体的な教育のあり方について、保護者の皆さんと共有するために、市教育委員会としてはどのような取り組みを進めるのでしょうか。 ◎教育部長(高田悟君) 市教育委員会といたしましては、いわきの未来を担う人財を育てるため、学校における生徒会活動や職場体験学習、各種行事など、地域社会等と連携を図りながら、日ごろの教育活動において、主体性や社会性を育んでおり、さらには、生徒会長サミットやいわき志塾、いわき・わくわくしごと塾などのキャリア教育、体験型経済教育施設Elemでの経済教育などの取り組みを進めてきたところでございます。これらの取り組みについて各学校における保護者懇談や文化祭、各事業などの発表会、ホームページへの掲載など、さまざまな機会を捉え、これまで情報を発信してまいったところでございます。 今後におきましても、引き続き、保護者のみならず、広く市民の皆様との情報共有に努めてまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 人の先頭に立って頑張れる子供、また、一人一人が生きる力をしっかりと育てしっかり身につけて、社会でその能力に応じて活躍できる人財に育ってほしいんだろう、そういうことを言っているのかと思います。その上に立って、子供たちにこのような人財に育ってもらうためにどのような教育環境が必要と考えるのかということが大切になってくると思います。 昨年6月定例会の木村議員の学校再編に関する質問に、市教委は、学校のあり方基本方針における、子供たちを主役に考える、住民の意向を尊重する、共同・連携を促進するという3つの視点を基本姿勢に掲げ、地域の実情に応じた、よりよい教育環境づくりに取り組んでおりますと答えています。 子供たちを主役に子供たちの教育環境をより向上させることを考える際に、学校規模はどの程度が望ましいと考えているのでしょうか。 ◎教育部長(高田悟君) 学校は、児童・生徒の能力を伸ばしつつ、社会の一員としての基本的資質を養うことを目的としております。このため、児童・生徒には、単に教科等の知識・技能の習得だけではなく、児童・生徒が集団の中で多様な考えに触れ、認め合い、協力し合い、切磋琢磨することを通じて、思考力や表現力、判断力、問題解決能力などを育み、社会性や規範意識を身につけていくことが求められております。 このようなことから、平成27年1月に文部科学省が示した公立小・中学校の適正規模等に関する手引におきましては、望ましい学校規模の考え方として、まずは複式学級を解消する1学年1学級が必要であり、その上で、全学年でクラスがえが可能であり、学習活動に応じて多様なグループが編成できる、1学年2学級以上の規模が望ましいものとされております。 ◆10番(伊藤浩之君) この質問で、同じく小規模校の特徴について、きめ細やかな指導や生徒指導が可能になり、学力の向上や豊かな心の育成を図る上でのメリットがあり、デメリットには少人数であるがゆえに、これからの社会で必要とされる資質や能力の育成で課題があるとし、また、複式学級では1人の教員が2学年を同時に指導することによる学習指導面での困難があるとしていましたが、これらを含む小規模校のメリットやデメリットについて、保護者等と共有するための情報提供を積極的に進めるべきと考えますが、今後、どのように取り組むのでしょうか。 ◎教育部長(高田悟君) 市内の各小・中学校におきましては、地域や児童・生徒の実態を踏まえた学校経営の方針や重点事項等について、保護者懇談会や学校へ行こう週間などの行事を通じて保護者等に説明する機会を設けております。特に、小規模校におきましては、きめ細かな学習指導など、小規模校のメリットを生かしながら、社会性を育んでいく上での課題などデメリットを克服するための取り組みなどについて、保護者等に説明をし、理解を得ているところであります。 今後におきましても、引き続き、保護者等への説明責任を果たしながら、よりよい教育環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 子供たちにとって、よりよい教育環境を保護者とともに考えていく、そのために必要なのが、幅広く情報を共有して、今後の子供たちの育ちを保障するために、どんな教育環境がいいのか、どんな学校がいいのかを情報提供していくことが非常に大切になってくるかと思います。教育委員会としても積極的にこういう方面の取り組みを進める御努力をお願いして、次の質問に移りたいと思います。 次に、県立高等学校の統合計画について伺います。 私は、2017年2月定例会に県立高校の統合問題を取り上げ、小規模校が地域の人材育成の上から貴重な役割を果たしている観点からの質問をしておりました。去る2月、福島県教育委員会は、県立高等学校改革前期実施計画を発表し、2019年度から2023年度までの5年間で県立高校25校を13校に再編し、市内では、小名浜高校といわき海星高校、及び湯本高校と遠野高校を統合する方針を発表しております。 2021年度に統合した新校をスタートさせる計画の小名浜・海星高校では改革懇談会が開かれており、報道によりますと、関係者からは前向きな声が多かったとしながら、海星高校の関係者から、水産科の1学年減に対する懸念や畑違いの統合などの声が出され、また統合までの時間の短さを心配する声もあったとされております。地域ということで見れば、統合されてももとの地域から学校がなくなることはない小名浜ですが、方針が示されてからわずか2年間の間に、次の新しい高校の準備を進めるという進め方には拙速さを感じます。生徒や保護者、また地域等の意見を十分踏まえながら、魅力のある学校づくりを進めるという観点から見れば、もっと時間をかけて議論もし尽くして準備を進めるという視点が必要なのではないかと思います。 もう1つの湯本高校と遠野高校の統合については、統合対象校の一方の地区、具体的には遠野地区に高校がなくなることになり、生徒の学業や地域に対する影響も大きい内容となっています。私の地元でもあることから、遠野高校の教育上の役割と存在意義を考察してまとめた記事をブログに掲載しましたが、掲載後、ほぼ毎日アクセスのない日はないというほど読んでいただいており、多くの方に関心を持っていただいていると思います。 そこで、この湯本高校と遠野高校の統合を中心に質問させていただきたいと思います。 まず、県が公表した県立高等学校改革前期実施計画の前提となる県立高等学校改革基本計画とはどのようなものなのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 県立高等学校改革基本計画につきましては、本県の未来を切り開くチャレンジ精神を持った人づくりを推進することを基本理念として、各高等学校の新たなあり方を検討し、再編整備と特色化を図る中で、よりよい教育環境を提供することによって、生徒一人一人の資質や能力を向上させることのできる魅力ある高等学校づくりを推進するため、県教育委員会が平成30年5月に策定したものであります。 ◆10番(伊藤浩之君) この計画の中では、生徒たち子供たちに変化に対応できる生き抜く力をつけること、そのために多様な学習内容の確保、質の向上を図ること、そして学校再編等による教育活動の魅力化、4つ目に過疎・中山間地の学習機会の確保、こういうことを柱にしながら全体としてまとめていっている状況があります。この生き抜く力をつけるのがこの目的なんだということになっているわけであります。 2017年2月定例会に、小規模校が果たす役割について、少人数教育のメリットを生かしたきめ細やかな指導で学力の向上や進路希望の実現に大きな役割を果たしているとの趣旨での答弁がされておりましたが、このうち遠野町に立地する遠野高校の市内高校教育での役割について、どのような認識をお持ちなのか伺います。 ◎教育部長(高田悟君) 遠野高校につきましては、在籍する生徒に対しまして、少人数教育のメリットを生かしたきめ細かな指導を行い、学力向上や進路指導の面で、特色ある教育を実施している高校の1つであると認識しております。 ◆10番(伊藤浩之君) そういう特色を持った取り組みを通じて子供たちが豊かに成長している、子供たちの豊かな成長を保障している、そういう側面があるのかなと私も思います。 この遠野高校では、自分ですいた遠野和紙で卒業証書を作成するなど、地域団体等とタイアップしながらの教育展開に取り組んでいますが、こうした取り組みを本市としてはどのように評価しているでしょうか。 ◎教育部長(高田悟君) 市内各高校におきましては、いずれの学校も地域と連携したさまざまな教育活動を展開しているものと認識をしております。 遠野高校につきましては、遠野和紙を活用した卒業証書を作成するなど、地域資源を生かした特色ある教育活動が展開されているものと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 非常に地域との関係性が高い教育内容、教育プログラムを組んで実践していただいていると思うんです。そして、この遠野高校では、遠野和紙の活用にとどまらず、いわき高箸の袋のデザインや、杉やヒノキを活用したボールペンや定規の作成など、民間の事業者の皆さんとコラボした地域資源活用の取り組みも進めています。このような取り組みが生徒の体験を広げるとともに、イベントでのボランティアやまたイベントへの出演などでの地域の人々との交流を通じて、コミュニケーションスキルを高めたり、自分と社会のつながりの認識と自覚を高め、社会に巣立つ準備を進める貴重な機会になっていることを聞いております。こうした地域等と結んで遠野高校が生徒たちに育むものは、他で得ることができない貴重なものになっていると思います。そんな中で、今回の統合計画が打ち出されているわけであります。 この県の計画では、県立遠野高校が湯本高校と統合した場合、校舎は湯本高校を使用するとしておりますが、現在、遠野高校が生徒の教育上持っている機能が新設校にどのように引き継がれると考えているのかお伺いします。 ◎教育部長(高田悟君) 市教育委員会といたしましては、統合校の具体的な学校運営ビジョン等が、現在明らかになっておりませんが、今後、福島県教育委員会が開催する当該高校にかかわる高等学校改革懇談会等において、具体的に示されていくものと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 具体的にはこれから確かに示されるということになっていくわけでありますが、次の質問でまたそのことに触れていくことになると思います。 さて、この遠野高校の統合は、地区にとっても大きな影響を与える問題になると思っています。高等学校がなくなる遠野地区には、どのような影響を及ぼすと考えていらっしゃるのか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 遠野高校の生徒の皆さんは、遠野千本桜公園さくら祭り等の地域行事への参加を通し、遠野地区のにぎわい創出や交流に寄与しており、また同校では、遠野和紙の原料となるコウゾ等の栽培やみずからの卒業証書の紙すきを行うなど、伝統文化への理解や関心も深めております。このように遠野高校は、遠野地区のまちづくりにさまざまな貢献をしてきており、なくなった場合には、一定の影響が出る可能性があると思われます。 ◆10番(伊藤浩之君) ただいまの答弁にありましたように、地区にとっても非常に大切な高校になっているということができると思うんですね。ですから、先ほど、今後の改革懇談会で示されるというお話がありましたが、そこで示されるのを待つのではなくて、やはり積極的にこちらから求めていくことが非常に大切になっているのかなと思うのであります。 それを踏まえて、高校関係者及び地域には、立地条件等も含めて、高校あるいはその機能を遠野地区に存続させることが必要という意見がありますが、本市として遠野高校の存続を県に対して求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎教育部長(高田悟君) 遠野高校を含めまして、県立高校の統廃合につきましては、福島県教育委員会により県立高等学校改革基本計画に基づき現在進められているところでございます。したがいまして、市教育委員会といたしましては、遠野高校の存続の可否について判断し得る立場にはございませんが、県教育委員会主催による高等学校改革懇談会等において、中学校における進路指導等に関しまして想定される課題等について伝えてまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 遠野高校が進路指導の面でも、非常に先生たちの指導の上での大切な役割を持っているということも聞いておりますので、そこの声はしっかりと伝えていっていただきたいと思いますし、改めて、住民の皆さんの声をしっかりと集めていくということが大切なのかなと思います。 さて、この遠野高校は2年前、創立70周年を迎えています。当時、既に高校の統合が問題になっていました。この70周年の記念式典に招かれて出席し、生徒を代表した生徒会長の挨拶を聞き、改めて同校の必要性を強く思ったところでした。生徒会長はこのような挨拶をしておりました。遠野高校では、進学、教養、ビジネス系に分かれて学んでいますが、少人数を生かして学力を身につけることができています。生徒は旧3村以外の比率が高まっています。これは地域に支えられていることが他地域にも浸透して、希望する生徒がふえてきたからだと思います。これが遠野の発展につながると思います。私は植田町出身ですが、遠野が大好きです。これからも遠野高校のすばらしさを後輩に伝えていきたい。自己能力を高め、地域の皆さんと成長していきたい。自己実現と社会貢献を果たせるよう、遠野高校生として誇りを持っていきたいと思います。これは私のメモをもとにしたあらあらのまとめだったんですが、こういうスピーチをしていたのであります。この同じ式典で校長先生は、遠野高校が当時の上遠野村、入遠野村、田人村のたっての願いで独立した高校になって、小規模ならではの一人一人の生徒の豊かな個性に寄り添った教育を実践し、卒業生を送り出してきたと紹介しながら、学校と地域が相互に高め合う伝統をつくり、学校と地域が協力して生み出した成果を地域に返していきたいと話されていました。 学校と地域が協力して成果を生み出せる。こういう機能は、遠野という地域に学校があるからこそ発揮できたものだと思います。私は、もちろん統合するのではなく遠野高校を存続させていただきたいという希望を強く持っておりますが、仮に統合されることがあったとして、遠野高校が育んできた機能、あるいは果たしてきた役割を最大限生かす統合のあり方を考える。この立場でこの問題に臨んでいくことが、これからの課題になるのではないかと思っています。この問題は、教育委員会で答えていただきましたが、いわきの子供たちにとって非常に大きな問題、いわきの将来を担う子供たちを育成する上で非常に大きな問題になっていると思います。 この遠野高校の存続について市長として御所見があれば、ぜひお聞かせ願いたいと思います。 ◎市長(清水敏男君) 県立高校の統合に当たりましては、県教育委員会が対象地域ごとに県立高等学校改革懇談会を設置し、再編整備にかかわる地域の関係者の意見を聞きながら進めていくこととされております。 市といたしましては、同懇談会に参加する中で、先ほど部長が答弁申し上げましたとおり、中学校における進路指導に支障を来さないよう対応することを求めるとともに、現時点において、統合校の具体的な学校運営ビジョン等が明らかになっていない状況ではありますが、本市のまちづくりに寄与する人材を育成する観点から、市の考え方を伝えてまいりたいと考えております。議員おただしの関係者等の意見の集約につきましては、主体者である県教育委員会が改革懇談会を開催する中で、地域や学校関係者の皆様などの意見にしっかりと耳を傾けていただきながら、丁寧な意見交換を重ねていくべきものと認識しております。 ◆10番(伊藤浩之君) ぜひそういう意見、市としての声を県に届けて、住民の声、それから生徒たちの声、教育関係者の声、こういうものが今後の計画策定の中に生きるように取り組んでいただきたい。そのことを要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。 国民健康保険についてです。 本市は、今年度の国保税は、県が示した課税標準額の引き上げを踏まえながら、国民健康保険基金からの繰り入れを行うことで安定的な運用は可能と判断し、国保税率を据え置くことにしております。なぜ執行部は国保税を据え置くことが必要と考えたのか、その執行部の率直な状況認識を知りたいと思っています。 そこで、まずは、国保加入者の状況について伺っていきたいと思います。 まず、国保加入者のうち60歳以上の加入者の割合はどのようになっているのかお伺いします。 ◎市民協働部長下山田松人君) 本年5月末現在で申し上げますと、被保険者数6万4,517人に対し、60歳以上の被保険者数は3万7,896人でありますことから、58.7%となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) 約6割が60歳以上ということで、収入の面でもなかなか困難な加入者が多いという特徴があると思います。 国保加入者の1世帯当たりの所得はどのように推移しているのか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 所得額から基礎控除額を差し引いた1世帯当たり平均の課税標準額について、過去3年間の推移で申し上げますと、平成28年度は98万734円、平成29年度は90万8,243円、平成30年度は86万7,692円と減少傾向にあります。 ◆10番(伊藤浩之君) 先ほどの質問でもありましたが、加入者の所得は減少傾向にあるということです。 では、国民健康保険税の1世帯当たりの課税額がどのように推移しているのか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 1世帯当たり平均の課税額について、過去3年間の推移で申し上げますと、平成28年度は15万191円、平成29年度は14万2,853円、平成30年度は13万8,837円と減少傾向にあります。 ◆10番(伊藤浩之君) 減少傾向にあるということで、国保の会計という観点から見ると、なかなか大変な状況になっていくんだと思います。 次に、夫婦2人で所得200万円のモデル世帯の国保税額はどのようになっているんでしょうか。 ◎市民協働部長下山田松人君) おただしのモデル世帯について、基礎課税額、後期高齢者支援金等課税額、介護納付金課税額の全てが課税される場合で申し上げますと、32万3,900円となります。 ◆10番(伊藤浩之君) その所得に占める割合はどの程度になるか計算できますか。 ◎市民協働部長下山田松人君) 約16.2%くらいになります。 ◆10番(伊藤浩之君) 非常に大きな負担をしているという実態がそこに出ているんだと思います。 次に、国保税には、7割、5割、2割の軽減措置がありますが、その適用を受ける世帯数の推移はどのようになっているでしょうか。 ◎市民協働部長下山田松人君) 過去3年間の推移を申し上げますと、平成28年度は、加入世帯4万9,318世帯のうち、軽減世帯は2万8,175世帯、割合にして57.1%、平成29年度は、4万6,328世帯のうち、2万7,461世帯、59.3%、平成30年度は、4万4,158世帯のうち、2万6,905世帯、60.9%となっており、加入世帯の減少に伴って、軽減世帯数は減少傾向にありますが、軽減世帯の割合は増加傾向にあります。 ◆10番(伊藤浩之君) この割合が増加しているところには、該当する枠組みを広げて軽減が該当しやすくしていることもあるんだとは思うんですけれども、該当世帯がだんだんふえてきていて、しかもほぼ3分の2の世帯が何らかの軽減を受けているという状況になっているわけです。そこには、国保が加入者の負担能力の限度を超えて大き過ぎる負担をかけている。ある意味制度自体が無理な制度になってきていることがあらわれているんだと思います。その原因は、国が国庫負担を減らし、基本的には加入者の自助努力を強いてきたことが1つで、県内統一の国保税に向かう中でも、国の負担をしっかり実施して、無理なく負担し医療を利用できる健全な制度にしていくことが、引き続きの課題になっているのかと思います。 そこで、次に、今年度の本市の国保税について伺いたいと思います。 県が示した本市の標準保険料率は、昨年度と比較して所得割額で0.31%、均等割額で2,326円、平等割額で1,705円をいずれも引き上げる内容となっていますが、その背景にある1人当たり国保事業費納付金の見込みが1,559円増加するのは、どのような理由があるのか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 1人当たり国保事業費納付金の見込み額が増加する理由といたしましては、県の試算において、本年度の県全体の1人当たり保険給付費等の額が昨年度より増加すると見込んだことによるものでございます。 ◆10番(伊藤浩之君) 保険給付費の額が増加する、すなわち医療費がふえているんだということになるわけですが、先だっていわき医師会の木村守一会長に地域医療介護対策特別委員会でお話を伺ったときに、いわき市の医療にかかわる問題の1つとして、先生の御意見では、健診の受診率の低さを挙げておりました。これがここ10年で解決すべき課題だとしながら、解決のために、特に就労している若い世代にどう接点を持っていくのかが大切になるのではないか、このような認識を示しておりました。こうした課題が解決していれば、高額な医薬品が保険診療の対象になってくる現実を踏まえても、医療費を抑制することが可能になってくるとは思いますが、現状ではそうはなっていないので、医療費がかさみ、標準保険料率で値上げという結果が示されてくるわけです。これからもそういう傾向というものが続くかもしれない懸念もあります。 その中、本市は今年度も現行税率とした場合には、約3億6,200万円の赤字になると見通しながら、国民健康保険基金を取り崩し繰り入れることで現行税率に据え置くことにしています。 このような措置をとる理由は何か伺います。 ◎市長(清水敏男君) 本年度の国保税率を据え置きますと、本年度以降の実質収支は、赤字が継続すると見込まれますことから、本来であれば、収支の均衡を図るために、国保税率の引き上げを検討する状況にあります。 しかしながら、このような状況の中、本年度の国保税率を据え置いた理由としましては、現在、本市の国保基金は約25億7,300万円を保有しておりますことから、今後見込まれる赤字額を当該基金から取り崩して補填した場合であっても、国保税率が確実に県内統一化されない令和6年度末の基金残高は、現時点で、約5億3,500万円が確保できる見込みであるため、直ちに国保税率を引き上げる状況にはないこと、さらには、基金を一定額以上保有している間は、被保険者の税負担に配慮することとし、国保税率は引き上げないと判断したものであります。 ◆10番(伊藤浩之君) ただいまの答弁の中で、加入者の税負担に配慮するというお話があったんですが、では、税負担に配慮するというのは、今の国保税が加入者の暮らしの状況から見たときに重い負担になっているという認識があるからなのかどうか、その点について伺いたいと思います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 構造的には国民健康保険税は他の保険制度より高い現状はございますが、今回判断したのは、基金がある中でやはり低所得者の人に引き上げを行うということは、しわ寄せをするという判断で、今回据え置いたということでございます。 ◆10番(伊藤浩之君) 基本的には、やはり先ほどの国保をめぐる状況見てからもあらわれてくるように、加入者の生活状況から見ると、やはり今の国保税というのが高い状況にある。だからこそ減免世帯もふえていくんだろうと思うのであります。 では、国保税の加入者負担が大きい現状から見れば、軽減措置の適用があるとはいえ、引き下げを図ることが求められていると考えますが、本市の見解はいかがでしょうか。 ◎市長(清水敏男君) 本市の国保財政は、先ほど申し上げましたとおり、国保税率を据え置いた場合、本年度以降の実質収支は、毎年赤字が継続すると見込まれ、これにより令和6年度末の基金残高は、約5億3,500万円まで減少する見込みであります。 このような中、国保税率を引き下げた場合は、赤字額はさらに拡大し、基金が令和6年度前に枯渇すると見込まれ、その際は収支の均衡を図るため、国保税率を引き上げることとなります。このことから、現時点では国保税率の引き下げはないものと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 県内統一を見越していくと、基金を引き下げに使うことはできないという答弁だったように思うんですけれども、国保税の負担が重過ぎるものとなっているという現実が、制度減免が該当する世帯が6割にも達する事態にあらわれているように思います。この国保税が、今後の県の統一の中で、さらに重い負担となって市民に課せられるようなことになれば、市民の命と健康を守る上からも重大な問題になると考えております。 そこで、2025年、令和7年度以降に、保険税率を県内統一化することが目指されていますけれども、統一化された場合の課題をどのように捉えているのか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 現在、県が示す標準保険料率と本市の国保税率には、大きな乖離が生じております。具体的には、前年の所得額に対して課税する所得割額は本市のほうが高く、1世帯につき課税する平等割額も本市のほうが高く、一方、1人につき課税する均等割額は本市のほうが低い状況にありますことから、本市の税率は低所得者に配慮した設定となっております。このため、国保税率の県内統一化に向けては、この乖離を段階的に埋めていく必要があります。 具体的には、本市の税率について、所得割額と平等割額は引き下げる必要があり、均等割額については引き上げる必要があります。ただし、これにより所得の高い世帯においては、税額は減少しますが、低所得世帯においては、税額は増加することになるため、国保税率の県内統一化に向けては、低所得者に配慮しながら、いかに標準保険料率との乖離を埋めていくかが大きな課題と受けとめております。 ◆10番(伊藤浩之君) 低所得者の負担がふえかねないという問題点があるということで、本市の現状について言えば、低所得者に配慮した中身になっているというのは非常にいいことだと思うんですね。ところが、県のほうではそうはなっていないという状況を踏まえたときに、県の現状に合わせるというのではなくて、県の制度設計そのものをやはり低所得者に配慮したものにきちんとしてくださいよという意見をいわき市として言っていくということが必要だと思うんですね。そうでなければ、やはり国保税が使いにくい制度として統一してしまうという状況にあると思うんですね。そういういわき市のいいところを県に売り込む、県にしっかり意見していくことについて何か御所見はございませんか。 ◎市民協働部長下山田松人君) 県と市町村の協議の場というのがございますので、今ほどお話がありましたように、いわゆる低所得者世帯に配慮した税率設定となるような対策を講じる協議を、今後、県に要望しながら詰めていきたいなと思っています。 ◆10番(伊藤浩之君) 通告した質問が、次のが課題解決に向けて本市はどのように取り組んでいく考えなのかですが、今の答弁と同じになるかな。では、とりあえず答弁お願いします。 ◎市民協働部長下山田松人君) それでは、その前段のところも述べさせていただきます。 国保税率が県内統一化された際に、低所得世帯の税額が急激に増加しないよう、あらかじめ標準保険料率との乖離を小さくしておくことが必要であると考えております。 その一方で、この乖離を小さくしていくことにより、低所得世帯の税額は段階的に増加することとなりますことから、そうならないように配慮する必要もあります。そのために、例えば、1世帯につき課税する平等割額を引き下げながら、1人につき課税する均等割額を引き上げることで、低所得世帯の税額の増額を最小限に抑えつつ、標準保険料率との乖離を小さくすることで、国保税率が県内統一化されたときの急激な増加を回避してまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) その急激な増加を抑えるということではなくて、やはりいわき市のように低所得者にしっかり配慮した制度にするように、御意見をしていただきたいと思います。 次に、なりすまし詐欺対策の強化について伺いたいと思います。 以前からお年寄りがなりすまし詐欺等の被害に遭ったという報道を見て、社会的にも弱い立場にある人たちの大切な財産を奪い取る卑劣な犯行に憤りを感じ、また被害に遭われた方の無念を思うと心が痛んで仕方がありませんでした。5月12日の新聞を見て、改めて深刻な事態にあることを痛感しました。なりすまし詐欺被害、手口巧妙次々と変化と題された記事は次のように伝えていました。なりすまし詐欺の被害が後を絶たない。東北では宮城県に次ぎ、本県の被害件数が多い。犯行グループの多くが拠点を置く関東圏と近接している本県の立地条件を悪用していると福島県警は見ている。手口は巧妙かつずる賢い。改元を口実とするなど新たな手口の増加も予想される。これは福島民報の報道でしたが、記事では県内の事件発生の件数のピークが2015年で163件、4億5,801万円の被害。被害額のピークは前年に当たる2014年で111件、4億7,079万円の被害。そして2018年には99件で1億4,691万円の被害と、減少しながらも、まだまだ大きな被害となっていることを紹介しておりました。 そこで、まず初めに、本市の被害の実態について伺いたいと思います。 本市のなりすまし詐欺の被害はどのように推移しているのか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 過去3年のなりすまし詐欺の被害件数と金額で申し上げますと、市内3警察署によれば、平成28年度は22件、6,827万円、平成29年度は19件、5,579万円、平成30年度は16件、6,105万円となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) 平成30年すなわち2018年の数字で見ると、本市の被害件数は県内の16%ですが、被害額で見ると県内被害額の40%に達する大きな被害を出していることになります。市内だけで見れば件数は減っているものの被害額はおおむね横ばいの状況にあるということになります。一定の水準で被害が続いている状況です。なりすまし詐欺の対応は、第一義的には警察ということになりますが、本市としても何らかの対応をしてきたものと思います。 なりすまし詐欺の被害防止のための本市における対策はどのようになっているのか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) なりすまし詐欺の被害を防止するためには、市民の皆様が、みずから被害を未然に防止することが非常に重要であると認識しているところであります。このことから、本市においては、消費者あんしんサポートプランいわき市消費者教育推進計画を平成28年3月に策定し、消費者教育推進講座の開催や、消費者向けリーフレット等の作成・配布による啓発活動などに取り組んでいるほか、本庁・支所・消費生活センターの14カ所に相談窓口を設置しているところであります。また、地域活性化包括連携協定を締結した金融機関等においても、なりすまし詐欺についての注意喚起に努めていただくなど、地域の見守り体制の構築を図っているところであります。 今後におきましては、いわき市防災メールなどの活用を通じ、振り込め詐欺等の発生状況、その他被害防止に関する有用な情報を事業者や市民の皆様と共有しながら、なりすまし詐欺による被害防止を図ってまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 確かに自己防衛というのは大切だと思うんですが、同時に金融機関の職員が声をかけて被害を未然に防止した事例があるように、周りからの支援というのも非常に大切になってくるのかなと思うんです。こうした支援に一元的に取り組み、なりすまし詐欺被害の防止に努めるために、警察権を持たない市が条例を制定して取り組んでいる事例があります。 柏市では、市町村としては初めての柏市振り込め詐欺等被害防止等条例を制定し、特殊詐欺の防止に努めていますが、本市もこのような事例に学び、全市民挙げて被害防止に努める条件を拡大することについてどのようにお考えでしょうか。 ◎市民協働部長下山田松人君) 伊藤議員おただしの柏市におきましては、振り込め詐欺等被害防止等条例において、振り込め詐欺等による被害を防止することを目的に、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、有用な情報の提供その他必要な事項を定め、消費者向け講座の開催、総合窓口の設置、防犯情報のメール配信等の各種事業に取り組んでいるものであります。 本市におきましては、警察や金融機関等関係機関と連携を図りながら、なりすまし詐欺による被害の防止に向けた取り組みを推進しているところであり、おただしの条例制定につきましては、柏市やその他市町村の状況等を調査し、条例制定による有効性等を検証してまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 条例が施行され、取り組みが強化したからといって直ちに被害が減少したということにもなっていないようではあります。ただ、金融機関等で不審な挙動のお客に踏み込んで声をかけやすくなる環境ができたなどの効果が出ているようであります。ですから、被害防止の状況から見ると、条例施行前の2015年度に柏市ですが、被害発生件数57に対して、被害防止件数が28と半分程度にとどまっていたものが、2017年度には、発生103件に対して防止106件と、発生件数以上に防止数をふやすことができたという成果も上がっているようであります。こうした事例にも学びながら、本市としてもより有効性の高い対応策をとられるよう要望して、次の質問に移りたいと思います。 次の質問は、身体障がい者等に対する軽自動車税の減免手続を簡易化することについてであります。 本市では、身体または精神に障害を有し、歩行が困難な方が所有する軽自動車等、または18歳未満の身体障がい者または精神障がい者と生計を一にする方が所有する軽自動車等については、軽自動車税の減免を受けることができるようになっております。ただ、その申請手続は、納期限の7日前までに税務事務所等の窓口を訪れ、軽自動車納税通知書、身体障がい者手帳等、運転免許証、車検証または標識交付証明書を添付して書類を提出することにされております。この手続が毎年毎年繰り返されているわけです。毎年同じことをなぜしなければならないのかという疑問の声を市民からいただきました。 そこで、議会事務局に、他中核市や県内他市で2回目以降の手続がどうなっているのかを調べていただきました。その結果、中核市58市中、何らかの形で手続の簡易化を図っているのは52市で、ほとんどの中核市が簡易化を図っている状況です。また、県内で見ると、13市中9市が簡易化を図っていました。その方法を見ると、2年目以降の手続について、軽自動車税の納付書を送付する以前に、状況に変化がないか現況確認等を行っている例や、納付書に現況確認の書類やはがきを同封し、窓口あるいは郵送で手続を済むようにしている例、あるいは2年目以降は前年と同様とみなして手続の必要がなく、車の交換時などに改めて手続を踏むようにしている例など、市によって方法はさまざまですが、簡便な手続で済むようにしていることがわかりました。 身体障がい者等に対する軽自動車税の減免申請は、こうした他市の動向等も踏まえて、本市でも簡易な方法の手続に変更してはどうか伺います。 ◎財政部長(澤田洋一君) 身体障がい者等に対する軽自動車税の減免手続につきましては、窓口の申請待ち時間の緩和、事務処理の効率化等の理由により、他自治体では2回目以降の申請書の受け付けを簡易な方法により実施している例があると聞いております。 本市におきましても、窓口の混雑等、同様のケースが発生していることから、これまで他自治体の状況等について調査・研究をしてまいりましたが、今後、システムでの対応等も含め、早期実施に向けて検討してまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 早期実施という御答弁でございましたけれども、ぜひ来年度には実施できるように準備を進めていただければ、市民の皆さんにとっても喜ばしいことなのかなと思います。また、同様の事例が他の部課等が所管するさまざまな手続にもあるとするならば、この際、あわせて見直しを図る検討も必要かと思います。こうした分野での市の積極的な取り組みを期待しながら、次の質問に移りたいと思います。 ペットのふん対策です。 これまで本議場でも吉田議員や福嶋議員が取り上げ、そのたび、ふん放置の場所に警告カードを置いてくるイエローカード作戦とか、設置されたふん害防止看板の改善であるとか、ペットマナーアップサポーターの活動経験の普及であるとか、さまざまな対策・対応が要望されてまいりました。 そこで、まず、市議会等で過去に要望あるいは検討された事項についての実施状況はどうなっているのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) ペットのふん放置の対策として、市議会等で提案がありましたペットマナーアップサポーター活動の普及やイエローカード作戦の導入につきましては、既に実施している団体以外からの相談がなかったことから、実施には至らなかったところでありますが、市といたしましては、広報車や広報紙、市ホームページ等による広報活動や飼い犬のしつけ方教室、動物愛護ふれあいフェスティバルinいわき等の動物関係のイベントでの啓発を実施するほか、お困りの皆様には、ふん害防止看板を配布するなど、犬のふんの持ち帰りについて、さまざまな啓発活動を実施してきたところであります。 さらに、犬のふんについて、放置した者が特定できる場合は、戸別訪問により事実関係を確認し、適切に持ち帰り、一般廃棄物として処理するなど適切な取り扱いの助言を実施しているところであります。 ◆10番(伊藤浩之君) 放置されたもの、どなたが放置したかを特定するのはなかなか困難なのかなという感じはしますけれども、最後のところの話ですけれども。実は私も犬を2頭飼っておりまして、1頭は、引き取り手がなかなか決まらなかった犬を知人から引き取ったもので、2頭目は、そのちょうど1年後に、朝、犬の散歩をさせていて、道路を横切って草むらに隠れた生後2カ月ほどの子犬を保護したもので、そのまま居ついてしまったものですから、この2頭を連れながらほぼ毎朝散歩しているという状況です。幸い毎朝の散歩ルートには、リスと思われるふんが落ちていることはあるんですけれども、犬の落とし物が残されていることはほとんどない状況なので、安心して散歩をしていますが、以前の質問では、市内全体で見るとそれなりの苦情があるという答弁がされていたと思います。 そこで、犬のふん放置に対する苦情等市民からの通知の状況はどのようになっているのか伺います。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) 過去3年間の犬のふん放置に関する苦情受理件数を申し上げますと、平成28年度は12件、平成29年度は20件、平成30年度は15件となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) 減ったりふえたりという感じではありますが、引き続き苦情が寄せられているという状況で、何らかの対応策が必要になってくるんだろうなということだと思います。 最近知ったんですが、看板等より効果が高いとされ、予算的にも小さな費用で済むとされているイエローチョーク作戦というものがあるようです。犬のふんが放置されていたら、黄色いチョークでふんの周りを丸くマーキングし、発見した日付と時間を書いてそのまま放置しておくという方式です。マーキングすることによって見られているという意識が働くのか、ふんの放置が激減したという事例が紹介されておりました。もともとは宇治市で取り組まれ、効果が高いということで、今、全国的にも広がりつつあるようであります。 このイエローチョーク作戦の導入を検討してはいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(飯尾仁君) イエローチョーク作戦につきましては、ペットのふんの処理についてのマナー向上を働きかける取り組みとして、ほかの自治体において実施しているところがあり、比較的簡便で、一定の効果があると聞き及んでおりますが、景観上の問題や、警察との協議が必要であるなどの課題がありますことから、市におきましては、先行して実施しております自治体の情報の収集等に努め、調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) ペットのふんがいいのか黄色いチョークがいいのかという話になってしまいますけれどね。まだそれでペットのふんがなくなったほうが市民にとってもいいのかなという感じはしますので、よく情報収集もしながら検討していただきたいと思います。 最後に、10月に予定されている消費税の10%への増税について伺います。 この増税については、これまで2回延期をされ、安倍首相はリーマンショック級の経済危機がなければ、予定どおりに実施するとしています。この間の経済状況を見ますと、2月定例会の消費税に関する討論で、3月7日発表の景気動向指数の速報値が、景気が既に後退期に入った可能性が高いことを示す下方への局面変化に基調判断を引き下げたことを述べてまいりましたが、その後も5月13日及び6月7日に公表された速報値では悪化に引き下げられております。過去、悪化と判断した2008年6月から2009年4月の11カ月間と、2012年10月から2013年1月の4カ月間は、景気後退期間と重なっているとされております。また、6月13日に公表された企業景気予測調査では、大企業の全産業の景況判断指数BSIがマイナス3.7となり、二、四半期の連続で下降が上昇を上回り、企業心理が悪化していることが示されたとされております。 こうした背景にあるのが、米中の貿易摩擦ということになるわけですが、米中の貿易摩擦が続く中で、我が国の経済状況にも陰りが見えると伝えられ、加えて本市では震災復興事業の終結に伴い、市内経済への懸念もある中、市民生活と営業に影響の大きい消費税の10月の増税を中止するよう求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。 ◎財政部長(澤田洋一君) 消費税等の改正につきましては、租税法定主義の原則のもと、国会において決定されたものであり、社会保障の安定財源の確保及び財政の健全化を同時に達成するため、我が国の将来を見据えて国策として税法の体系に組み込まれたものであると受けとめております。 このことから、市といたしましては、法の趣旨を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 市民生活は非常に厳しい局面に立たされると思いますので、ぜひ要望することを検討していただくことをお願いして、私の一般質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)--------------------------------------- △散会 ○議長(菅波健君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の本会議は、午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。          午後4時11分 散会---------------------------------------...